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こんにちは、ジェネレーションBのTAKUです。
石井武志という名前を、2026年9月2日のわずか65秒で知った人も多いのではないでしょうか。
元世界王者ウィルフレド・メンデスを初回1分5秒で倒し、WBA世界ミニマム級王座を獲得。
あまりに短い決着だったため、「石井武志の戦績は?」「身長156cmで、なぜあれほど強いのか」「キックボクシングではどんな選手だったのか」と、試合後に調べたくなるのは当然です。
先に結論を言うと、石井武志のプロボクシング戦績は、2026年9月4日時点で13戦12勝9KO1敗。
キックボクシングから転向し、全日本新人王、OPBF東洋太平洋王者を経て、プロ13戦目で世界王者まで駆け上がった叩き上げです。
ただし、数字だけを並べると、この選手の本当の面白さを取りこぼします。
156cmという小柄な体格を不利として隠すのではなく、低い位置から距離を潰し、得意の左ボディーと右を打ち込むための形に変えてきたこと。
そして、世界ランカーに敗れたあと、力任せに突っ込むだけでは届かないと知り、12ラウンドを戦える攻撃へ作り直したこと。
この記事では、石井武志の全13戦、身長や出身地、公開されている経歴、キックボクシングから転向した理由、65秒KOの中で起きていた攻防まで、自分の目で試合を観てきた感覚も交えて掘り下げます。
この記事でわかること
- 石井武志の最新戦績と獲得タイトル
- 身長156cmでも強打を生む戦い方
- キックボクシングから転向した経歴
- 65秒KOと唯一の敗戦が示す現在地
先に要点
石井武志は、1999年10月26日生まれ、福岡県うきは市出身のオーソドックス。
身長156cm、リーチ159cmで、得意パンチは左ボディーです。
2026年9月2日、ウィルフレド・メンデスに1回1分5秒KO勝ちし、WBA世界ミニマム級王座を獲得しました。
1. 石井武志はどんなボクサーか
まず、石井武志の基本情報から見ていきます。
世界王者という現在の肩書きだけを見ると、早くからボクシングの英才教育を受けてきた選手に思えるかもしれません。
高校時代までは週2回ほど空手に取り組み、高校卒業後にプロのキックボクサーとなり、その後に競技を変えました。
アマチュアボクシングの豊富な実績を持たず、4回戦から一段ずつ上がってきた選手です。
1-1. プロフィールと身長
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 石井武志 |
| 生年月日 | 1999年10月26日 |
| 出身地 | 福岡県うきは市 |
| 所属 | 大橋ボクシングジム |
| 階級 | ミニマム級 |
| 身長 | 156cm |
| リーチ | 159cm |
| 構え | オーソドックス |
| 得意パンチ | 左ボディー |
| 最新戦績 | 13戦12勝9KO1敗 |
| 主な王座 | WBA世界ミニマム級王座、OPBF東洋太平洋ミニマム級王座 |

石井の身長は156cmです。
世界戦で向き合ったメンデスは166cmで、前日計量の時点では10cmの身長差がありました。
普通に考えれば、長身のサウスポーが前手と足で距離を管理し、小柄な選手を入らせない展開が自然でしょう。
しかし、石井は遠い距離で器用にポイントを取り合う選手ではありません。
重心を低く保ち、相手のパンチが伸び切る前後へ踏み込み、胸が触れそうな距離まで入って左ボディーを打つ。
そのため、156cmは単なる弱点ではなく、相手の視線より低い位置から懐へ入り、下から打ち上げるための体格にもなっています。
もちろん、小柄なら誰でも接近戦に強くなるわけではありません。
入る途中でジャブやアッパーを受ければ、それだけで前進は止まります。
石井の価値は、低さそのものではなく、その低さを使って相手の射程を一気に通過する覚悟と脚力にあると私は見ています。

1-2. 出身高校は公表されているか
石井武志の出身高校を知りたい人も多いようです。
しかし、2026年9月4日時点で、所属する大橋ボクシングジムの公式プロフィールや主要なインタビューには、学校名まで確認できる記載がありません。
確認できるのは、福岡県うきは市出身で、高校時代までは週2回ほど空手に取り組み、高校卒業後にキックボクシングの世界へ進んだという経歴です。
出身高校について
学校名を裏付ける信頼できる公開情報が見つからない以上、似た名前の人物やSNS上の推測を結びつけるべきではありません。
新たに本人や所属ジムから公表された場合に追記します。
2. 石井武志のボクシング戦績
石井武志のプロ戦績は、13戦12勝9KO1敗です。
勝率だけでなく、12勝のうち9勝がKO。
最軽量のミニマム級で高い決定力を示しています。
しかし、この戦績で大切なのは、白星の数よりも、唯一の黒星を境に勝ち方が変わったことです。
| 試合日 | 対戦相手 | 結果 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| 2022年5月19日 | 福田隆斗 | 2回TKO勝ち | プロデビュー |
| 2022年8月2日 | 岩井祥來 | 4回TKO勝ち | 東日本新人王予選 |
| 2022年9月27日 | アンディ・アツシ | 1回TKO勝ち | 東日本新人王準決勝 |
| 2022年11月3日 | 川上拳汰 | 4回判定勝ち | 東日本新人王決勝 |
| 2022年12月17日 | 池田雅史 | 1回TKO勝ち | 全日本新人王獲得 |
| 2023年3月14日 | ジンナワット・リエンピット | 1回TKO勝ち | 23秒決着 |
| 2023年6月29日 | ナチャポン・ウイチャイタ | 2回TKO勝ち | デビュー7連勝 |
| 2023年9月12日 | リト・ダンテ | 8回判定負け | プロ初黒星 |
| 2024年7月9日 | プラチャノ・ミンプラチャ | 3回KO勝ち | 再起戦 |
| 2024年9月25日 | ジョン・ケビン・ヒメネス | 12回判定勝ち | OPBF王座獲得 |
| 2025年3月11日 | 伊佐春輔 | 5回KO勝ち | OPBF初防衛 |
| 2025年9月9日 | ジェイク・アンパロ | 10回判定勝ち | OPBF2度目の防衛 |
| 2026年9月2日 | ウィルフレド・メンデス | 1回KO勝ち | WBA世界王座獲得 |
※戦績、保持王座は2026年9月4日時点です。
更新のずれが起きやすいため、最新情報は大橋ボクシングジム公式プロフィールもあわせて確認してください。
2-1. 新人王まで5戦で駆け上がる
石井は2022年5月、福田隆斗戦でプロデビューしました。
2回TKOで初戦を飾ると、そのまま東日本新人王トーナメントを勝ち上がり、同年12月には全日本ミニマム級新人王決定戦へ進みます。
池田雅史との決勝は、1回終了間際の2分59秒でTKO勝ち。
初年度に5戦を経験し、4KOを含む全勝で全日本新人王と敢闘賞を手にしました。
石井のキャリアで最初の大きな答えが出たのは、連勝が止まった8戦目でした。
2-2. リト・ダンテ戦の初黒星

2023年9月、石井はWBC世界ミニマム級15位だったリト・ダンテと対戦しました。
結果は8回1対2の判定負け。
採点は75対77が2者、77対75が1者という僅差でした。
デビューからの連勝は7で止まり、これが現在まで唯一の敗戦です。
私は、この1敗を石井の戦績から消して語るべきではないと思っています。
ダンテは、正面から力比べを続けてくれる相手ではありません。
石井が強い圧力で入ろうとしても、距離をずらし、打ち終わりを狙い、簡単には同じ場所に立たない。
倒しに行く気持ちが前へ出るほど、攻撃の入口が読まれ、ラウンドを確実に取る細かな仕事が必要になりました。
ただし、強いパンチを持っていることと、そのパンチを世界水準の相手へ12ラウンド通して当てることは別問題だと分かった一戦でした。
◆TAKUのひとこと
2-3. OPBF王者で得た長丁場

敗戦から約10か月後、石井は再起戦を3回KOで突破。
続く2024年9月、ジョン・ケビン・ヒメネスとのOPBF東洋太平洋ミニマム級王座決定戦に臨みました。
ここでは12回を最後まで戦い、3対0の判定勝ち。
短い回で倒すだけではなく、相手が残っても攻撃を組み立て直し、採点を積み上げて王座を取ったことが重要です。
初防衛戦では伊佐春輔を5回KO。
2度目の防衛戦ではジェイク・アンパロに10回大差判定勝ちを収めました。
KO、12回判定、KO、10回判定。
この4試合を見ると、石井がただの突進型ではなく、倒せない時間を受け入れながら圧力を続けられる選手へ変わっていったことが分かります。
3. 世界戦を65秒で決めた理由

2026年9月2日、横浜BUNTAI。
石井は元WBO世界ミニマム級王者ウィルフレド・メンデスとのWBA世界ミニマム級王座決定戦に出場しました。
結果は、1回1分5秒KO勝ち。
井上尚弥がファン・カルロス・パヤノ戦で記録した1分10秒を5秒上回り、日本人男子の世界戦最短KO記録を更新しました。
しかし、「右を一発当てたら終わった」と見るだけでは、この65秒の中身を見誤ります。

3-1. 最初から退路を消した前進
ゴングが鳴ると、石井は様子見をほとんど挟まず前へ出ました。
相手は元世界王者で、長身のサウスポー。
普通なら最初の1分を使い、前手の位置、左ストレートの距離、踏み込む速度を測りたくなります。
石井はそこを待ちませんでした。
メンデスが長い距離を作る前に胸元へ入り、クリンチで攻撃を切られても、離れた瞬間からまた圧力をかけます。
この前進は、感情に任せた突進とは少し違いました。
相手の顔だけを追わず、体の中心へ圧力をかけて後ろへ下げ、ロープとコーナーへ近づける。
長身の選手は、腕を伸ばせる空間があってこそ長さを使えます。
石井はパンチを当てる前に、その空間を消していたんです。
3-2. 左ボディーが決着を作った
決着の始まりは、石井が得意とする左ボディーフックでした。
メンデスが接近戦で手を出したところへ、石井の左が脇腹へ食い込みます。
この一発でメンデスの身体が止まり、意識が下へ向いた直後、石井が右フックを顔面へ重ねました。
メンデスは片膝をつき、そのままカウントアウト。
左ボディーで身体を止め、右で視界の外側を打ち抜く。
得意技とフィニッシュブローが、最短の順番でつながった決着でした。
しかし、呼吸を止め、肘を下げさせ、足をその場へ縫い付ける力がある。
石井の右が当たったのは、右だけが速かったからではありません。
その直前に、左がメンデスの防御と姿勢を変えていたからです。
65秒KOの核心
最初の前進でメンデスが長い距離を作る時間を奪い、左ボディーで身体を止め、右フックで仕留めました。
短い試合でしたが、石井が積み上げてきた「距離を潰す」「上下を打ち分ける」「効いた瞬間を逃さない」という強みが凝縮されています。
試合の流れと決着場面は、Boxing Newsの試合結果でも確認できます。
また、同じ興行のメインでは吉良大弥がカルロス・カニサレスを7回TKOで破り、プロ5戦目で世界王座を獲得しました。
二つの世界戦がどう決着したのかは、吉良大弥のボクシング戦績は?強さと次戦・世界戦を徹底解説で詳しく書いています。

65秒の攻防を映像で確認したい方へ
石井武志対メンデスは、Leminoプレミアムで2026年9月16日23時59分まで見逃し配信予定です。
配信期間や無料体験の適用条件は変更される場合があるため、申し込み前に公式ページで対象試合と最新条件を確認してください。
Leminoで石井武志対メンデスの配信状況を確認する
3-3. 最短記録だけでは測れない
65秒KOは鮮烈です。
ただし、この記録だけで石井が階級の全員を簡単に倒せると考えるのは早いでしょう。
今回は、1回から行くという陣営の方針と、石井の圧力、メンデスの反応が一直線にかみ合いました。
相手が最初から大きく回り、前手を細かく置き、石井の踏み込みへアッパーを合わせてきたら、同じ形にはならないかもしれません。
世界王者になったことで、今後の相手は石井の左ボディーを徹底的に研究します。
肘を下げて腹を守る相手に、今度はどう顔面を開けさせるのか。
前へ出させてもらえないとき、自分から相手を動かす手段を何種類持てるのか。
65秒で世界を取ったからこそ、初防衛戦では「長い試合になったときの世界王者・石井武志」が改めて問われます。
4. キックから転向した経歴

石井武志の原点は、ボクシングだけではありません。
中学時代に空手を始め、高校卒業後は福岡でプロのキックボクサーとして活動しました。
キックボクシングでは4戦4勝3KO。
大和KICKの第2代52.5kg級王者にもなっています。
それでも、その競技に居続けるのではなく、2021年にボクシングへ転向しました。
4-1. 適正体重を求めた競技変更
転向の背景には、体格と階級の問題がありました。
キックボクシングで上の舞台を目指そうとしても、K-1などの主要な階級と石井の適正体重が合いにくかったと報じられています。
一方、プロボクシングには47.6kg以下のミニマム級があります。
156cmの石井にとって、身体を無理に大きくするより、自分の骨格と出力が生きる場所を選べる競技でした。
キックではプロ4戦全勝で王座も取っています。
勝っていた競技を離れ、自分の身体がより高いところまで届く可能性を求めて、ルールも距離も違う世界へ移った。
むしろ、かなり現実的で勇気のいる決断です。
4-2. 武居由樹を追って大橋ジムへ
石井がボクシング転向の手本にしたのが、同じくキックボクシングからプロボクシングへ移った武居由樹でした。
武居はK-1王者から大橋ジムへ入り、プロボクシングでも世界王者になった選手です。
石井はその背中を追うように大橋ジムへ入り、のちに同じ環境で練習するようになりました。
ただ、二人は「キック出身」という一語でまとめられても、戦い方は同じではありません。
サウスポーの武居は、独特の間合いと角度から強打を飛ばします。
オーソドックスの石井は、もっと身体ごと距離を詰め、左ボディーから相手を崩す色が濃い。
先に道を作った選手を目標にしながら、自分の体格に合う形へ変えてきたところが大切です。
4-3. キック経験はどう生きたか
キックボクシングでは、パンチだけでなく蹴りや膝への警戒が必要です。
そのため、単純に近づけばよいわけではなく、相手が攻撃を出す前後の間を読む感覚が磨かれます。
石井の思い切りのよい踏み込みや、効かせた直後に迷わず連打へ移る感覚には、立ち技格闘技で勝負してきた経験がにじみます。
一方で、ボクシングへ移れば、蹴りを出す距離も、防御に使う動きもなくなります。
パンチだけの競技だから簡単になるのではありません。
相手もパンチの攻防だけを深く磨いており、頭の位置、肩の角度、半歩の出入りがはるかに細かくなる。
石井はキックの癖をそのまま持ち込んだのではなく、ボクシングの足運び、連打、12ラウンドの配分へ作り替えました。
だから、肩書きとしては「元キックボクサー」でも、現在の強さを説明する答えは、転向後の5年間にあります。
5. 石井武志の強さを支える武器
石井の強さは、「パンチが強い」の一言では足りません。
強打を当てるために、距離、姿勢、相手の意識を順番に変えています。
ここでは、試合を観るときに注目したい具体的な武器を見ていきましょう。
5-1. 左ボディーが攻撃の中心
大橋ジムの公式プロフィールにも、石井の得意パンチは左ボディーと記載されています。
左ボディーは、単に腹を効かせるためだけのパンチではありません。
相手が肘を下げれば顔面への右が通り、腹を嫌って後ろへ下がればロープが近づく。
逆に上だけを狙えば、長身の相手に頭を押さえられ、クリンチで止められやすくなります。
石井は低い姿勢で入るため、顔面より先に相手の胴体が打てる位置へ来ます。
そこで無理に頭を狙わず、まず左を身体へ入れる。
メンデス戦の決着は、その考え方が最も短く表れた場面でした。
5-2. 距離を壊す圧力

石井は、相手より遠くから当てる選手ではありません。
相手が安全だと思っている距離そのものを壊します。
一歩で入れなければ二歩目を止めず、クリンチされても離れ際に休まない。
この継続が、相手から考える時間を奪います。
ただし、圧力とは前へ歩くだけではありません。
頭が相手の正面に残れば、ジャブと左ストレートを受け続けます。
石井は上体を小さく振り、ガードの外側へ頭を置きながら、打てる位置へ近づく。
一発を避けて終わりではなく、避けた位置からすぐ左ボディーを返せることが強みです。
5-3. フィジカルと攻撃をつなぐ
計量時の石井を見ると、ミニマム級の中でも上半身と脚の厚みが目につきます。
しかし、筋肉があるだけでは相手を倒せません。
重要なのは、床を踏んだ力を腰、肩、拳へ逃がさず伝えることです。
石井の左ボディーは、腕だけを振るのではなく、低い重心から身体を回し、短い距離で打ち込みます。
近距離では大きく振りかぶる時間がありません。
コンパクトな軌道で打てるから、相手に密着される直前でも威力を残せます。
2025年から八重樫東トレーナーとの新体制で、フィジカルと技術をつなげる作業を重ねたことも、世界戦前の取材で語られていました。
65秒という結果は突然生まれたように見えますが、その一発を出せる身体と位置は、長い準備の末にできたものです。
5-4. 今後問われる弱点
世界王者になった今も、石井が完成したとは思いません。
最大の強みである前進は、相手に利用される可能性もあります。
横へ回りながら細かくジャブを置く相手、入ってくる頭へアッパーを合わせる相手、クリンチで身体を預けて消耗させる相手。
こうしたタイプに対し、正面から追う時間が長くなると、攻撃の勢いが採点へ結びつかないラウンドも出るでしょう。
また、世界戦は65秒で終わったため、世界水準の相手と中盤、終盤を戦う姿はまだ見えていません。
OPBF王座戦で12ラウンドを経験しているとはいえ、世界王者の技術と圧力を受けながら9回、10回へ入る負荷は別物です。
65秒KOを過大評価しない
短時間のKOは石井の決定力を証明しましたが、長丁場の世界戦での対応力まで一度に証明したわけではありません。
初防衛戦では、相手が左ボディーと序盤の突進を封じたあと、石井が第2、第3の攻め方を出せるかが焦点になります。
弱点があるから評価が下がるのではありません。
対策される立場になってから、その対策をさらに越えられるか。
そこからが世界王者の本当のキャリアです。
6. 世界王者までの生き方
石井武志の物語が響くのは、最短KO記録があるからだけではありません。
本人は世界王座を取った直後、自分を、特別な才能があった人間ではないという言葉で振り返りました。
小さいころから周囲より身長が低く、地方で育ち、空手も最初から抜きん出ていたわけではない。
キックボクシングで王者になっても適正階級の壁があり、競技を変えたあとには世界ランカーに敗れています。
世界王座まで一直線だった選手ではありません。
6-1. 才能より継続を選んだ
ボクシングの世界では、アマチュアで何冠、高校や大学で何勝という経歴が注目されます。
それは当然です。
トップレベルのアマチュア経験は、距離感や試合判断の大きな財産になります。
石井には、その華やかな履歴がありませんでした。
だからこそ、4回戦から始め、勝ちながら足りないものを覚え、負けて攻め方を変えた。
世界戦前には、自分を「スポーツのボクシングはできない」と表現し、生き物としての強さを見せたいと語っています。
これは技術を軽視する言葉ではないでしょう。
自分が器用なポイント型ではないと認めたうえで、圧力、身体の強さ、折れない気持ちを勝てる技術へ結びつけるという宣言に聞こえます。
6-2. 65秒に詰まった遠回り
結果だけを見れば、世界戦は65秒です。
でも、その65秒にたどり着くまでには、空手、キック4戦、ボクシング12戦、初黒星、OPBFの長いラウンドがありました。
短い決着と、短いキャリアは同じではありません。
ゴングと同時に前へ出られたのも、12ラウンドを戦う準備をしたうえで、最初から使い切る覚悟を決めていたからです。
私は、ここに石井らしさを感じます。
様子を見て安全に入るのではなく、準備したものを最初の接触から出す。
一見すると無謀ですが、実際には長い準備に裏打ちされた決断でした。
◆TAKUのひとこと
6-3. 次戦で見たいもの

石井は王座獲得翌日の会見で、強い相手と戦い、勝ちたいという趣旨の意欲を示しています。
初防衛戦の日程や対戦相手は、2026年9月4日時点で正式発表されていません。
だから今は、候補を推測で断定すべき時期ではありません。
私が次に見たいのは、また早く倒す姿だけではなく、対策された左ボディーをどう通すかです。
相手が腹を固めたら顔面へ行くのか。
足を使われたらリングをどう狭くするのか。
序盤をしのがれたら、何ラウンド目にもう一度圧力を上げるのか。
王座獲得戦で見せ切れなかった部分が、これから一つずつ現れます。
最短記録を持つ王者が、長い王者生活を作れるのか。
石井武志の本当の評価は、ここから始まります。
7. WBA王座の位置づけ
石井が獲得したのは、WBA世界ミニマム級王座です。
報道やデータベースによっては「WBA世界ミニマム級レギュラー王座」と表記されることがあります。
この呼び名で、「世界王者ではないのか」と戸惑う人もいるでしょう。
レギュラー王者はWBAが設けてきた王座区分であり、石井はWBAが認定する世界王者です。
ただし、WBC、IBF、WBOを含む4団体統一王者という意味ではありません。
団体王座と、複数団体を束ねた統一状態は分けて考える必要があります。
王座表記の見方
王座制度は統一戦や団体の判断で変わることがあります。
石井の現在の王座区分や防衛戦の条件は、今後のWBA公式発表で確認するのが確実です。
7-1. 石井武志に関するよくある質問
Q1. 石井武志の最新戦績は?
A. 2026年9月4日時点で13戦12勝9KO1敗です。唯一の敗戦は2023年9月のリト・ダンテ戦で、8回1対2の判定負けでした。戦績は試合ごとに変わるため、最新情報は所属ジムや公式発表も確認してください。
Q2. 石井武志の身長と階級は?
A. 身長156cm、リーチ159cmで、階級はミニマム級です。ミニマム級の契約体重上限は47.6kg。低い重心から距離を詰め、左ボディーを打つ戦い方に体格を生かしています。
Q3. 石井武志はキックボクシングで何勝した?
A. プロキックボクシングでは4戦4勝3KOです。大和KICKの52.5kg級王座も獲得しました。その後、自分の適正体重でより上を目指せる環境を求め、プロボクシングへ転向しています。
Q4. 石井武志の出身高校はどこ?
A. 福岡県うきは市出身であることは公表されていますが、出身高校の学校名は、所属ジムの公式プロフィールや信頼できる主要資料で確認できません。根拠のない学校名は記載せず、本人や所属ジムから公表された場合に更新します。
Q5. メンデス戦はどこで見逃し視聴できる?
A. 石井武志対ウィルフレド・メンデスを含む大会は、Leminoプレミアムで2026年9月16日23時59分まで見逃し配信予定です。配信期間や料金、無料体験の対象は変更される場合があるため、登録前にLemino公式ページで確認してください。
7-2. 石井武志の戦績まとめ
石井武志のプロボクシング戦績は、2026年9月4日時点で13戦12勝9KO1敗です。
- 身長156cm、福岡県うきは市出身
- キックボクシングは4戦4勝3KO
- 2022年度全日本ミニマム級新人王
- 元OPBF東洋太平洋ミニマム級王者
- メンデスを65秒で倒しWBA世界王座獲得
- 唯一の敗戦はリト・ダンテ戦の僅差判定
石井の強さは、156cmという体格を埋め合わせたことではありません。
低い重心、距離を潰す前進、左ボディー、近距離の右を一つの攻撃としてつなぎ、自分の体格だからこそできる形を作ったことです。
そして、世界王座を決めた65秒よりも忘れたくないのが、その前にあった1敗と遠回り。
勝ち続けた天才が予定どおり頂点へ行った物語ではありません。
競技を変え、負けて作り直し、13戦目で世界へ届いた選手です。
だからこそ、次は最短KOの再現だけを求めるのではなく、対策された世界王者がどんな答えを出すのかを見たい。
石井武志の熱は、王座を取った瞬間で終わりません。
ここから始まる防衛戦こそ、この叩き上げの本当の続編です。


