こんにちは、ジェネレーションBのTAKUです。
「CEREMONYってハードコアのバンドじゃなかったの?」「最近の曲を聴いたら、ずいぶん雰囲気が違うけれど同じバンドなの?」。
初めて追いかけると、たぶんここで戸惑います。
CEREMONYは、カリフォルニア北部のローナートパーク周辺から出てきたパンク/ハードコアのバンドです。
ただし、初期の凶暴な短距離走だけで説明すると、本質を半分しか見ていません。
作品を重ねるごとに、ハードコア、ガレージ、ポストパンク、ニューウェーブの要素を大胆に取り込みながら、それでもバンドの緊張感だけは失ってこなかった。
そこが面白いんです。
2026年8月7日には7作目のスタジオアルバム『Tell Me Your Dream』を発表しました。
私がこのバンドを今聴くなら、全作品を年代順には追いません。
まず『Rohnert Park』、次に『The L-Shaped Man』、そして『Tell Me Your Dream』。
この3枚を並べると、CEREMONYが何を捨て、何を残したのかが見えてきます。
この記事でわかること
- CEREMONYがどんなバンドなのか
- 初期ハードコアから現在までの音楽性の変化
- 代表作と2026年最新作の聴きどころ
- 初めて聴く人におすすめのアルバム順
先に結論です。
CEREMONYの魅力は「昔はハードコア、今はポストパンク」という単純な変身ではありません。
速さ、反復、緊張、居心地の悪さという核を残したまま、鳴らし方だけを何度も更新してきたバンドです。
1. CEREMONYはどんなバンド?
CEREMONYを知るには、ジャンル名より先に「変化を恐れないバンド」だと捉えるほうが早いです。
前身のViolent Worldを経て2005年ごろにCEREMONYとして活動を始め、20年以上にわたって音の形を変えながら続いてきました。
1-1. ローナートパークから始まった
出発点は、サンフランシスコの北に位置するカリフォルニア州ローナートパーク周辺。
初期のCEREMONYは、短く、速く、荒く、聴き手に考える時間を与えないようなハードコアを鳴らしていました。
2006年の『Violence Violence』では、1分前後の曲が次々に突っ込んできます。
整った演奏を見せるより、圧力そのものを録音したような感触。
ボーカルのロス・ファラーも、言葉をきれいに歌い上げるのではなく、息を押し切るように声をぶつけています。
歌を「メロディー」として聴くより、リズム隊と同じ打撃音として受け取ったほうが分かりやすい時期です。
1-2. 変化を恐れない五人組
2026年の『Tell Me Your Dream』は、ロス・ファラー、アンソニー・アンザルド、アンディ・ネルソン、ジャスティン・デイヴィス、ジェイク・カサロッティの5人で制作されています。
面白いのは、メンバーが「昔の評価」を守る方向へ行かなかったことです。
普通なら『Rohnert Park』のような支持の強い作品ができると、その型を繰り返したくなる。
でもCEREMONYは逆でした。
次作『Zoo』でギターの隙間を増やし、『The L-Shaped Man』ではさらに音数を落とし、2019年の『In the Spirit World Now』ではシンセまで前に出してきます。
1-3. ジャンル名だけでは追えない

CEREMONYは、ハードコア、パンク、ポストパンク、ニューウェーブなど複数の棚に入れられてきました。
ただ、ジャンル名はその時期の音を説明する札であって、バンド全体を固定する答えではありません。
初期は高速ハードコアとして語られやすく、『Zoo』ではWireやGang of Fourを思わせる切れたギターと反復が前へ出ます。
『The L-Shaped Man』ではJoy Division周辺を連想させる沈んだ空間が増え、『In the Spirit World Now』ではシンセを含むニューウェーブ色が濃くなる。
2026年の『Tell Me Your Dream』では、その全部を一枚の中で行き来しています。
だから「CEREMONYは何系?」と聞かれたら、私はパンクを出発点に、作品ごとに方法を変えてきたバンドと答えます。
2. 初期ハードコアの衝撃
初期を知らずに後期だけ聴くと、CEREMONYの変化の大きさは伝わりません。
まずは2006年から2010年までの3枚で、彼らがどれほど強いハードコアの基礎を持っていたかを押さえておきたいところです。
2-1. 『Violence Violence』の速さ
2006年の『Violence Violence』は、音がこちらへ飛び込んでくるようなアルバムです。
曲が短いから軽いのではなく、短いから逃げ場がない。
ギター、ベース、ドラム、声がそれぞれ自己主張するのではなく、一つの塊で押してきます。
『Pressure’s On』や『Living Hell』では、停止、再加速、ブレイクの置き方が見えてきます。
速いだけではありません。
2-2. 『Still Nothing Moves You』
2008年の『Still Nothing Moves You』では、速さを維持しながら不協和音と重さが増します。
Bridge Nine Recordsの資料でも、この作品はプロらしい録音の明瞭さを持ちながら、パンク録音の荒さを失わない方向で作られたと説明されています。
実際、30秒台から2分台の曲が多いのに、ただの連射には聞こえません。
『Dead Moon California』から始まる流れには暗い間があり、短い曲の連続の中にも起伏がある。
ボーカルもずっと同じ強さで怒鳴るのではなく、言葉の頭を強く当てたり、語尾を切ったりして、曲の体感速度を変えています。
2-3. 『Rohnert Park』で輪郭が広がる

2010年の『Rohnert Park』は、初期CEREMONYの到達点であり、同時に次の時代への入口です。
タイトルは彼らの出身地そのもの。
13曲、約35分で、以前より曲の長さと空間が広がりました。
入り口の『Into the Wayside Part I / Sick』からして、それまでの一直線な突撃とは違います。
即座に爆発するだけではなく、反復と間を使い、圧力をためてから放す。
その後に1分台の曲が連なり、最後は『Into the Wayside Part III』で長い余韻へ向かいます。
このアルバムを私が最初の一枚にすすめる理由は、初期の暴力性と、後の実験性が同じ盤に入っているからです。
2024年にはこの作品を軸にしたロサンゼルス公演が行われ、その音源が2026年2月に『Live At The Hollywood Palladium』として発表されました。
15年以上たっても特別な位置にある作品だと分かります。
◆TAKUのひとこと
初めてCEREMONYを一枚買うなら、私はやはり『Rohnert Park』を選びます。
初期の荒さだけで終わらず、この先の変化まで聞こえてくる一枚です。
CDやLPを手元に置いてじっくり聴きたい人は、現在の在庫を確認してみてください。
初めてCEREMONYを一枚買うなら、まずはこの作品から
CEREMONY『Rohnert Park』国内盤CD
初期ハードコアの暴力性と、その後につながる実験性が同居する2010年の重要作。
CEREMONYの変化を追う最初の一枚としておすすめです。
※価格・在庫は変動します。最新情報は各販売ページでご確認ください。
3. 『Zoo』でパンクの外へ
2012年の『Zoo』はMatador Records移籍後の最初のアルバムです。
ここでCEREMONYは、ハードコアの速度を競うことから明確に距離を取り始めます。
3-1. 音を減らして緊張を増やした
『Hysteria』を聴くと変化がすぐ分かります。
ギターは壁のように鳴り続けず、切れ目を作る。
ベースとドラムが前に出て、反復が身体を引っ張ります。
音数は減っているのに、緊張はむしろ増えている。
この逆転が『Zoo』の面白さです。
Matadorは当時、この作品についてパンクとポストパンクの伝統を探るアルバムと説明し、ギターにはGang of FourやThe Crampsを思わせる動きを挙げていました。
たしかに、コードを厚く重ねるより、細い線を何本も交差させるような作りです。
この時期の耳を作るなら、ジェネレーションB内のGang of Four『Entertainment!』の解説も合わせて読むと、なぜギターを減らすことでパンクが前へ進めたのか分かりやすいと思います。

3-2. ボーカルの押し出しも変わる
ロス・ファラーの声も、初期の「全部を吐き切る」スタイルから変わっていきます。
『Zoo』では叫びだけでなく、低く置く声、言葉を繰り返す声、メロディーに寄せた声が混ざる。
声の音量で曲を支配するのではなく、リズムの中に声を置くようになったんですね。
歌い手の耳で聴くと、大声を抑えたことで、逆に一発の強い声が前へ出るようになったのが面白いところです。
4. 『The L-Shaped Man』の転換
2015年の『The L-Shaped Man』は、CEREMONYの歴史で最も分かりやすい転換点です。
初期しか知らない人が聴けば、別のバンドに聞こえても不思議ではありません。
4-1. 失恋を叫ばず沈めた一枚

この作品の核にあるのは、ロス・ファラーが経験した別れと、その後の孤独です。
ただし、感情を激しい音で爆発させる方向には行きませんでした。
むしろギターの密度を下げ、低音と余白を使い、声を沈ませています。
『The Separation』や『The Understanding』では、初期のような高速連打より、同じ感情が部屋の中を何度も回るような反復が印象に残ります。
悲しいから泣き叫ぶのではなく、感情を抑えた結果、かえって重くなる。
大人になってから刺さるタイプの暗さです。
ポストパンクの背景をもっと知りたい人は、サイト内のPublic Image Ltd徹底解説も参考になります。

CEREMONYはPiLのコピーではありませんが、パンクの語法をいったん壊し、別のリズムと空間へ進むという発想には通じるものがあります。
4-2. John Reisとの制作
プロデュースはJohn Reis。
Drive Like Jehu、Rocket from the Crypt、Hot Snakesなどで知られる人物です。
『The L-Shaped Man』では、音を派手に重ねるより、各楽器の隙間を生かす方向が強く出ています。
ここで重要なのは、CEREMONYがハードコアを「やめた」のではないことです。
初期から持っていたミニマルな作曲感覚を、速度ではなく余白へ向けた。
アンソニー・アンザルドも、この作品の説明で、自分たちは大きくて速くて荒い時期から一貫してミニマリストだったという趣旨を語っています。
『Rohnert Park』を聴いたあとにこの盤を流すと、「本当に同じバンドか?」と思うはずです。
ただ、その違和感まで含めてCEREMONYの面白さ。
初期と聴き比べたいなら、この一枚は外せません。
CEREMONY最大の転換点を一枚で味わう
CEREMONY『The L-Shaped Man』輸入盤CD
初期ハードコアの爆発力から一転し、余白・低音・抑えたボーカルで孤独を描いた2015年作。
『Rohnert Park』との違いを聴き比べると、CEREMONYの変化がより鮮明に分かります。
※価格・在庫は変動します。最新情報は各販売ページでご確認ください。
5. 2019年のニューウェーブ化
2019年の『In the Spirit World Now』では、CEREMONYはRelapse Recordsから作品を出し、ポストパンクだけでなくシンセを含むニューウェーブの質感まで強めました。
5-1. シンセと低音が前へ出る
冒頭の『Turn Away the Bad Thing』は、動くベースの上でギターが絡み、初期のような一枚岩の音ではありません。
タイトル曲『In the Spirit World Now』ではシンセのフレーズがはっきり前に出て、バンドの音色そのものが変わっています。
それでも、CEREMONYらしい反復は残っています。
フックを何度も繰り返し、そこへギターやシンセが層を加える。
初期のハードコアでは反復が圧力を生み、ここでは反復が不安や高揚を生む。
方法は同じでも、結果が違うんです。
5-2. 怒鳴らない声が逆に刺さる
この時期のロス・ファラーは、叫びより抑えた声を増やします。
『Further I Was』や『Years of Love』では、熱をむき出しにしない歌い方が逆に不穏です。
6. 2026年最新作は集大成
2026年8月7日発売の『Tell Me Your Dream』は、CEREMONYの7作目のスタジオアルバムです。
10曲で30分に満たないコンパクトな作品ですが、初期ハードコアからポストパンクまで、過去の時代を一枚の中で行き来します。
6-1. 『Tell Me Your Dream』の全体像

制作では『The L-Shaped Man』でも組んだJohn Reisと再びタッグを組みました。
メンバーはロス・ファラー、アンソニー・アンザルド、アンディ・ネルソン、ジャスティン・デイヴィス、ジェイク・カサロッティの5人。
アルバムは『Prograde』から始まり、『Other Hells』『Madness』『Dark Summer』と、曲ごとに手触りを変えていきます。
ハードコアに近い短い爆発のあとに、腰のある反復、さらに暗いポストパンク調のギターが来る。
1枚の中で過去のCEREMONYが入れ替わり立ち替わり顔を出す構成です。
単純な原点回帰ではありません。
2015年以降に身につけた余白や低音も残っている。
戻ったのではなく、20年分の方法を同時に使えるようになったと感じます。
2026年のCEREMONYを一枚で知りたいなら、今は『Tell Me Your Dream』が最も分かりやすい選択です。
初期の速さも、後期の余白も入っているので、過去作を全部追わなくても現在地が見えてきます。
2026年のCEREMONYを一枚で知るなら、この最新作から
CEREMONY『Tell Me Your Dream』CD
初期ハードコアの鋭さと、後期のポストパンク的な余白を一枚の中で行き来する2026年作。
CEREMONYの20年以上にわたる変化と現在地をまとめて味わいたい人におすすめです。
※価格・在庫は変動します。最新情報は各販売ページでご確認ください。
6-2. 『Other Hells』から流れが見える
『Other Hells』には、初期を思わせる短く切迫した攻撃性があります。
その次の『Madness』ではリズムの重心が下がり、さらに『Dark Summer』では黒っぽいギターの余白が広がる。
この並びだけでも、CEREMONYが一つのスタイルに留まる気がないことが分かります。
6-3. 政治性と個人の痛みを重ねる
最新作では社会や戦争への反応が以前よりはっきり表面に出ています。
Relapse Recordsの公式説明では、バンド自身が現在の政治的・社会的な不安に反応することを作品の重要な動機として語っています。
ただし、社会問題を外側から評論するだけではありません。
大きな不安と個人の痛みを同じ地面に置くことで、曲は簡単な答えを出さなくなります。
今のパンクがどこに政治性を持てるのかという話は、ジェネレーションBの「パンクは死んだのか?2026年版」でも触れています。

CEREMONYの最新作は、「昔の音を再現すること」と「今のパンクであること」が同じではないと分かる好例です。
7. CEREMONYのアルバム一覧

スタジオアルバムは2026年8月時点で7作です。
全部を同じジャンルとして聴くより、変化の記録として並べると理解しやすくなります。
| 年 | アルバム | 主な特徴 | 最初の注目点 |
|---|---|---|---|
| 2006 | 『Violence Violence』 | 高速ハードコア | 短さと圧力 |
| 2008 | 『Still Nothing Moves You』 | 不協和音と重さ | 緩急と暗さ |
| 2010 | 『Rohnert Park』 | ハードコアを拡張 | 反復と長尺化 |
| 2012 | 『Zoo』 | パンク/ポストパンク | 切れたギターと低音 |
| 2015 | 『The L-Shaped Man』 | 沈んだポストパンク | 余白と抑えた声 |
| 2019 | 『In the Spirit World Now』 | ニューウェーブ色 | シンセと反復 |
| 2026 | 『Tell Me Your Dream』 | 全時代の統合 | 曲ごとの振れ幅 |
EP、シングル、リミックス盤、ライブ盤もありますが、まずは上の7枚を押さえればバンドの大きな流れはつかめます。
2026年2月には『Live At The Hollywood Palladium』も発表されています。
8. 初めて聴くならこの順番

年代順に全部聴くのも楽しいですが、初見でCEREMONYの変化をつかむなら3枚で十分です。
私は『Rohnert Park』→『The L-Shaped Man』→『Tell Me Your Dream』の順をすすめます。
8-1. まず『Rohnert Park』
最初は『Rohnert Park』。
初期の速さと、その後の余白の両方があり、『Sick』から後半まで通すと「短く速いだけ」ではないと分かります。
8-2. 次に『The L-Shaped Man』
次に2015年の『The L-Shaped Man』へ飛びます。
同じメンバーを中心にしたバンドが、なぜここまで音を変えられたのかを体感するためです。
『Rohnert Park』直後なら物足りなく感じるかもしれません。
ですが、その「足りなさ」こそ意図的な空間です。
声の置き方、ベース、ドラムの間を聴いてみてください。
8-3. 最後に『Tell Me Your Dream』
最後に2026年の『Tell Me Your Dream』。
ここで初期と中期の両方が同時に戻ってきます。
『Other Hells』の鋭さを聴いて「昔に戻った」と思った直後に、『Madness』『Dark Summer』で別の顔が出る。
その振れ幅が、20年以上続けたバンドの現在地です。
引っかかった時代が見つかったら、そこから前後へ広げれば十分です。
全部を追う必要はありません。
迷ったら、この3枚だけで十分です。
『Rohnert Park』で原点、『The L-Shaped Man』で転換、『Tell Me Your Dream』で現在地。
この順番なら、CEREMONYの20年をかなり短い距離で追えます。
| 順番 | 作品 | こんな人向け |
|---|---|---|
| 1 | 『Rohnert Park』 楽天で在庫を見る | まずハードコア期から入りたい |
| 2 | 『The L-Shaped Man』 楽天で在庫を見る | 音の変化を一番強く感じたい |
| 3 | 『Tell Me Your Dream』 楽天で在庫を見る | 現在のCEREMONYを知りたい |
9. 代表曲から変化をたどる
アルバムを一気に聴く時間がないなら、代表的な曲を時代順に並べるだけでも変化は見えます。
9-1. 『Sick』で初期の圧力を知る
『Rohnert Park』の入口となる『Into the Wayside Part I / Sick』は、CEREMONYのハードコア期を知るうえで外せません。
勢いだけではなく、ためてから爆発する構成が重要です。
シャウトも最初から最後まで全開ではなく、曲の緊張を引っ張る役割を持っています。
9-2. 『Hysteria』で転換を知る
『Zoo』の『Hysteria』では、ギターが壁から刃物へ変わったように感じます。
厚く塗りつぶすのではなく、切れ目を作り、ベースとドラムに場所を渡す。
CEREMONYが「速さ」以外の方法で緊張を作り始めたことが分かる曲です。
9-3. 『The Separation』で余白を知る
『The L-Shaped Man』の『The Separation』は、変化の大きさを一曲で理解しやすい作品です。
初期のような前のめりな突進はなく、音と音の間に冷たい空気が残る。
声も感情を全部出さず、抑えることで重さを作っています。
9-4. 『Turn Away the Bad Thing』
2019年作の冒頭曲『Turn Away the Bad Thing』では、動く低音、絡むギター、抑えた声が同時に機能します。
ハードコア時代の「全員で一つの塊」という鳴りから、各パートが別々に動きながら緊張を保つ形へ。
ここまで来ると、初期との距離がよく分かります。
9-5. 『Other Hells』で原点回帰
2026年の『Other Hells』は、初期の攻撃性を現在の録音と構成で鳴らし直したような一曲です。
ただし、そのあとに違うタイプの曲が続くため、単独で「昔に戻った」と決めつけないほうがいい。
アルバムの流れの中で聴いてこそ意味が出ます。
10. CDとアナログはどう選ぶ?

CEREMONYは作品ごとの音の差が大きいので、いきなり高価な限定盤を買うより、まず配信やBandcampなどで時代ごとの差を確かめるのが失敗しにくいです。
10-1. 最初は配信で時代差を確認
まず『Rohnert Park』『The L-Shaped Man』『Tell Me Your Dream』を同じ再生環境で聴いてください。
フォーマットを変えずに比較すると、録音や作曲そのものの違いが見えやすくなります。
なお、サブスクリプションの配信地域、販売在庫、価格は変動します。この記事は2026年8月時点の情報をもとにしており、購入前には公式サイトや販売店で最新状況を確認してください。
10-2. 買うなら好きな時代から
初期の荒いCEREMONYが好きなら『Rohnert Park』のCDまたはアナログ盤。
音の余白やポストパンク色が好きなら『The L-Shaped Man』。
2026年の現在形まで含めて一枚で味わいたいなら『Tell Me Your Dream』が分かりやすい選択です。
レコードだから必ず音が良く、CDだから悪いという話ではありません。
どのマスターから、どう作られた版なのかで結果は変わります。
CEREMONYのように再プレスや限定カラーが複数ある作品は、色だけでなく規格、マスター、発売元まで確認したほうがいいでしょう。
どの盤を買えばいいか迷う人へ
私なら、初めて買う場合は「限定盤かどうか」より、好きな時代を優先します。
| 好み | おすすめ作品 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 攻撃的なCEREMONYが好き | 『Rohnert Park』 | 初期ハードコアの勢いと荒さを強く味わえる |
| 暗く沈んだポストパンクが好き | 『The L-Shaped Man』 | 余白、低音、抑えたボーカルの魅力が際立つ |
| 一枚で現在地まで味わいたい | 『Tell Me Your Dream』 | 初期から後期までの要素を一枚で楽しみやすい |
まず通常盤を選び、気に入った作品だけアナログや限定盤へ広げるほうが失敗しません。
10-3. 限定盤は焦って買わない
『Tell Me Your Dream』にはCD、LP、カセットなど複数の形態があり、Relapse Recordsでは限定カラー盤も展開されています。
ただ、限定数が少ないからといって、あなたにとって最良の版とは限りません。
注意したいのは「限定=音が良い」ではないこと。
コレクション目的なら色や仕様も大事ですが、聴くことが目的なら、まず入手しやすい通常盤で十分です。
中古盤は盤質だけでなく、再プレスか初期プレスか、付属品がそろっているかも確認してください。
11. CEREMONYが今も面白い理由
11-1. 変化しても核は消えない

音色は大きく変わりました。
テンポも変わった。
シンセまで入った。
それでも、反復、緊張、ミニマルな構成、居心地の悪さはずっと残っています。
初期の1分曲では、反復が暴力になります。
『The L-Shaped Man』では、反復が孤独になります。
『In the Spirit World Now』では、反復が不安と高揚になる。
そして『Tell Me Your Dream』では、その全部を曲ごとに使い分ける。
ここに一本の線があるんです。
11-2. パンクを型ではなく姿勢で保つ

パンクを3コード、速い8ビート、革ジャンだけで考えると、CEREMONYは途中でパンクではなくなったように見えるでしょう。
でも、過去の成功に合わせて自分たちを固定しないことも、パンクの一つの態度です。
私は、CEREMONYの面白さはそこにあると思っています。
ファンが求める正解を毎回出すのではなく、自分たちが今やるべき音へ動く。
しかも2026年には、初期の速さまで再び使えるようになった。
変化したから原点を捨てたのではなく、変化したから原点を別の形で使えるようになった。
その積み重ね。
11-3. CEREMONYに関するよくある質問(FAQ)
- CEREMONYは何系のバンドですか?
-
出発点はパンク/ハードコアですが、作品ごとにポストパンク、ガレージ、ニューウェーブなどの要素を取り込んでいます。一つのジャンル名で全時代を固定するより、パンクを土台に音楽性を変化させてきたバンドと考えるのが分かりやすいです。
- CEREMONYの入門盤はどれですか?
-
一枚だけなら2010年の『Rohnert Park』をすすめます。初期ハードコアの圧力を残しながら、その後につながる反復や余白も見えるからです。さらに変化を知りたいなら『The L-Shaped Man』、2026年の『Tell Me Your Dream』へ進むと流れがつかめます。
- 途中で別のバンドのように変わったのはなぜですか?
-
CEREMONYは初期から短さ、反復、ミニマルな作曲を重視していました。その考え方を、速度ではなく余白や低音、シンセへ広げた結果、表面の音が大きく変わりました。突然すべてを捨てたというより、同じ核を別の方法で鳴らしてきたと考えると納得しやすいです。
- 2026年の最新アルバムは何ですか?
-
2026年8月7日発売の7作目『Tell Me Your Dream』です。10曲入りで、初期ハードコアの攻撃性、ポストパンクの暗い余白、後期の反復感覚を一枚に混在させています。初期ファンにも後期ファンにも接点がある作品です。
- CDとアナログ盤はどちらがおすすめですか?
-
フォーマットだけで音の良し悪しは決まりません。初めてなら価格と扱いやすさで選び、気に入った作品だけアナログ盤を追加するのが無理のない順番です。再プレスや限定カラーが多い作品は、購入前に発売元、仕様、在庫を確認してください。
11-4. まとめ|まず三枚を順に聴く
CEREMONYは、初期ハードコアの爆発力だけで語るには惜しいバンドです。
2006年の『Violence Violence』から2026年の『Tell Me Your Dream』まで、音は何度も変わりました。
それでも、短く削ること、反復で緊張を作ること、安心できる場所に留まらないことは変わっていません。
初期と後期が違うように聞こえても、通して聴くと同じバンドだと分かります。
- 最初の一枚は『Rohnert Park』
- 大きな転換を知るなら『The L-Shaped Man』
- 現在地を知るなら『Tell Me Your Dream』
- 気に入った時代から前後の作品へ広げる
この3枚を順に聴いてください。
あなたが「CEREMONYらしい」と感じる音が一つに決まらないこと自体、このバンドのおもしろさだと思います。




