こんにちは、ジェネレーションBのTAKUです。
END IT(エンド・イット)という名前を最近よく見るけれど、「結局どんなバンドなのか」「TurnstileやTrapped Under Iceと何が違うのか」と気になっている人も多いと思います。
バルチモアから出てきた荒々しいハードコアの新鋭という見方は間違っていませんが、そこで止めるとEND ITの面白さをかなり取りこぼします。
このバンドには90年代東海岸ハードコアを思わせる重さと跳ね方があり、その上に速いパンク、スラッシュ、さらにソウルまで混ざっている。
そして最後に全部を一つにしているのが、Akil Godsey(アキル・ゴドジー)の声です。
私はバンドでボーカルをやっているので、END ITを聴くとまずギターより声の置き方に耳が行きます。
ゴドジーはただ怒鳴るのではなく、言葉の頭を硬く当て、語尾を長く引っ張らず、リズムの中へ声を突っ込んでいく。
この「歌が打楽器のように前へ出る感じ」が、END ITを単なる懐古型ハードコアにしていません。
この記事でわかること
- END ITの結成と現在のメンバー
- バルチモアHCらしさと音の特徴
- 『Unpleasant Living』と初フルの違い
- 初めて聴く人におすすめの順番
1. END ITはどんなバンドか
まず押さえたいのは、END ITが「昔のハードコアを上手に再現するバンド」ではないことです。
古い型を知ったうえで、2020年代の速度、言葉、ライブ感へ更新している。
1-1. 2017年に始まった4人組
END ITはアメリカ・メリーランド州バルチモアで2017年に結成されました。
2025年の公式紹介で挙げられているメンバーは、ボーカルのアキル・ゴドシー、ドラムのクリス・ゴンザレス、ギターのレイ・リー、ベースのパトリック・マーティンの4人です。
同年にセルフタイトルEP『End It』を出し、2020年に『One Way Track』、2022年に『Unpleasant Living』へ進みました。
そして2025年8月29日、ようやく初のフルアルバム『Wrong Side Of Heaven』をFlatspot Recordsから発表しています。
結成から初フルまで8年かかっていますが、作品が少なかったから停滞していたわけではありません。
『Unpleasant Living』以降は北米やヨーロッパを回り、Terror、Drain、Speed、Angel Du$t、Scowlなど幅の違うバンドと同じ現場を踏んできました。
短いEPで名前を広げ、ライブで強度を上げ、満を持して15曲のフルへ行った。
END ITは「アルバムから売れたバンド」ではなく、現場から大きくなったハードコアバンドとして聴いたほうが理解しやすいです。
1-2. 懐古では終わらない音

END ITを初めて聴くと、90年代の東海岸ハードコアを連想する人は多いでしょう。
実際、Flatspot Recordsは『Unpleasant Living』期の説明で90年代ハードコアからの強い影響を挙げ、Leeway、Gut Instinct、Maximum Penaltyと比較しています。
だから「古いハードコアっぽい」という感想自体は外れていません。
しかし、END ITはそこへ居座らない。
『Wrong Side Of Heaven』では、レーベル自身がクラシックなハードコア、スラッシュ、ソウルを制作上の軸として挙げています。
ギターが刻み始めた瞬間は硬いのに、ドラムとベースが入ると腰が動く。
そこへゴドジーの声が乗ると、曲が一直線の速さではなく、人を前へ押し出すグルーヴに変わるんです。
目立つのは短さと攻撃性。
でも、END ITを決定づけているのは、速い部分と身体が揺れる部分を一曲の中で自然につなげる感覚だと私は思います。
1-3. アキル・ゴドジーの声が決定打になる

ハードコアのボーカルは、声量があれば成立するわけではありません。
声をどの拍に置くか、子音をどこまで立てるか、語尾を残すか切るかで、同じリフでも圧力が変わります。
ゴドジーは言葉の頭を強く当て、フレーズの最後を引きずらない場面が多い。
そのためギターの上に歌が「乗る」というより、スネアやキックと一緒に曲を殴っているように聞こえます。
一方で、ずっと同じ喉の使い方ではありません。
2025年のインタビューでは、本人が演劇や合唱で歌ってきた経験にも触れています。
『Wrong Side Of Heaven』後半の「Could You Love Me?」まで行くと、その下地がはっきり出ます。
叫びを少し引き、母音を開き、旋律を前へ出す。
前半の短い曲だけ聴いて「怒鳴る人」と決めつけると、この振れ幅を逃します。
◆TAKUのひとこと
2.バルチモアHCの何が濃いか
END ITを語るときに「Baltimore Hardcore」という言葉は避けて通れません。
ただし、街の名前をジャンル札のように貼るだけでは何も分からないので、実際の音へ戻してみます。
2-1. 速さとグルーヴが同居する

バルチモア周辺のハードコアを聴いていると、速いのに身体の重心が低いバンドが目立ちます。
END ITにもその感覚があります。
『Unpleasant Living』は6曲で7分58秒しかなく、「21」は40秒、「B.C.H.C.」は58秒です。
数字だけ見れば、ひたすら突っ走る音を想像しますよね。
ところが実際は、全部が同じ速度で押し切られない。
リフが一瞬止まり、ドラムが隙間を作り、そこへボーカルが短く入ることで、モッシュできる重さが生まれます。
この「止めるから重い」という作り方がポイントです。
ただBPMを落とすより、速い部分との落差を作るほうが身体には強く来る。
END ITはそこをかなりよく分かっているバンドです。
2-2. 乱暴さの奥に歌心がある
ハードコアは乱暴であればいい。
そう思っていると、END ITのフルアルバム後半で少し驚くはずです。
15曲目まで22分38秒という短さは維持しながら、「Life Sublime」は2分13秒、「I, Lament」は2分14秒、最後の「Empire’s Demise」は2分35秒まで尺を使っています。
ほんの1分伸びただけに見えますが、ハードコアではその1分が大きい。
展開を一つ増やせるし、声を押し続けるだけでなく引く余地もできます。
とりわけ「Life Sublime」は、弾むリズムとギターのフレーズの上でゴドジーの声が前後するため、EPの直線的な攻撃性とは印象が違います。
Flatspotもこの曲を、弾むリズムと新しいギターリフがゴドジーの特徴的な声を支える曲として紹介しています。
重くなったのではなく、使える表情が増えた。
私は『Wrong Side Of Heaven』を聴いて一番大きく感じる成長はそこです。
2-3. 社会への目線も音の一部

END ITは社会的な言葉を持つバンドですが、主張だけを切り取ると音楽の半分しか見えません。
『Wrong Side Of Heaven』についてFlatspotは、アメリカで起きる変化への意識、個人の成長、ハードコアの倫理や誠実さを中心テーマとして説明しています。
そのため曲には、外の社会へ向く怒りと、自分や仲間の振る舞いを問い直す感覚が両方あります。
ここで歌詞を引用する必要はありません。
音だけでも、誰かを遠くから評論しているのではなく、当事者として近い距離から言葉をぶつけているのが分かるからです。
声が綺麗に整えられすぎず、息が押し込まれる瞬間や喉の摩擦が残る。
だからメッセージが「説明」ではなく「発言」に聞こえる。
社会性があるから価値があるのではなく、その社会性が歌い方とリズムにまで染み込んでいるから説得力がある。
私はそこを評価します。
3. まず聴くべき2作品

END ITを知るために全作品を年代順で追う必要はありません。
まず2022年の『Unpleasant Living』、次に2025年の『Wrong Side Of Heaven』。
この2作を続けて聴けば、バンドの核と成長が見えます。
3-1. まずは『Unpleasant Living』
最初の入口は『Unpleasant Living』です。
Spotifyなどの配信では6曲、7分58秒。
短いですが、END ITの名刺としてはこの短さがむしろ都合がいいです。
「B.C.H.C.」で街とバンドの輪郭を一気に出し、「New Wage Slavery」で速度と跳ねを結び、「The Comeback」で2分40秒まで曲を広げる。
たった6曲なのに、速いだけのバンドではないと最後には分かります。
特に「New Wage Slavery」は1分23秒しかありませんが、短いフレーズを区切って投げるゴドジーの歌い方が非常に分かりやすい曲です。
大声を長く伸ばさない。
言葉を前へ押し出したら、すぐ次の打点へ移る。
このリズム優先の歌い方が気持ちよければ、END ITはかなり相性がいいと思います。
逆に、長いギターソロや大きなサビを待つタイプのロックを求める人には、最初はあっけなく感じるかもしれません。
そこは弱点というより、ハードコアの時間感覚そのものです。
3-2. 初フルで広がった音
次は『Wrong Side Of Heaven』です。
2025年8月29日発売の初フルで、15曲22分38秒。
Salad Days StudioでBrian McTernanと制作し、バンドは数曲のデモを持ち込んだ状態から、約2か月の録音期間中にアルバムの大半を書き上げました。
EPより曲数は倍以上になったのに、冗長さはほとんどありません。
むしろ面白いのは、曲数が増えたことで「短いハードコアしかできない」という誤解が消えたことです。
「Cloutbusting」は53秒、「Hookworm」は20秒まで削る一方、「Could You Love Me?」は3分16秒。
その極端な尺の差が、そのままバンドの振れ幅になっています。
私はこのアルバムを「大人しくなった作品」とはまったく思いません。
短い爆発を捨てず、その間に歌える曲、考えさせる曲、余韻を残す曲を差し込めるようになった。
だから1枚通して聴いたとき、EPよりむしろ攻撃性が立体的に見えるんです。
3-3. 初期EPまで戻る意味
『Unpleasant Living』と初フルでハマったら、2017年のセルフタイトルEPと2020年の『One Way Track』へ戻ってください。
ここでは後年ほど音の幅は広くありませんが、END ITの骨格がかなり早い段階から出来ていたことが分かります。
ちなみにFlatspotの『Unpleasant Living』CD/LPは、6曲のEP本編だけでなく、『One Way Track』とセルフタイトルEPの曲も追加した16曲構成です。
これは物理メディアを買う意味が分かりやすい仕様ですね。
配信では作品ごとに分かれている初期3作を、一枚で続けて追える。
初期の荒さから『Unpleasant Living』へどう締まっていったかを聴き比べたい人には便利です。
| 作品 | 年 | 形式 | 最初に聴く意味 |
|---|---|---|---|
| 『End It』 | 2017 | EP | 初期の荒さと骨格を確認する |
| 『One Way Track』 | 2020 | EP | グルーヴの輪郭が太くなる過程を聴く |
| 『Unpleasant Living』 | 2022 | 6曲EP | END ITの核を最短でつかむ |
| 『Wrong Side Of Heaven』 | 2025 | 15曲フル | 現在の幅と完成度まで確認する |
END IT『Wrong Side Of Heaven』日本盤CD
現行ハードコアの熱量を、そのまま叩き込んだ一枚。
End It / Wrong Side Of Heaven 【CD】
ボルチモア・ハードコアの鋭さと荒々しいエネルギーを凝縮。
End Itの現在地をしっかり味わいたい人におすすめの作品です。
※価格・在庫は変動します。最新情報は各販売ページでご確認ください。
ここまで読んで「最初に盤を買うならどれ?」と迷うなら、私は日本盤CD『Wrong Side Of Heaven』から入ります。
RETRIBUTE RECORDSの国内盤は2025年9月5日発売、規格品番RR47、1CD・15曲収録です。
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※価格・在庫は2026年9月8日の記事執筆時点でも変動する情報です。購入前に販売ページで最新状況をご確認ください。
4. 代表曲で分かるEND IT

アルバム単位で聴くのが一番ですが、曲ごとに違いをつかむとEND ITの輪郭はさらに早く見えてきます。
私は次の4曲を押さえます。
4-1. New Wage Slavery
まず「New Wage Slavery」。
『Unpleasant Living』の2曲目で、1分23秒です。
END ITの速さ、短さ、ボーカルの押し出しが一度に出ます。
最初に耳へ飛び込むのは勢いですが、効いているのはゴドジーがメロディを伸ばさず、言葉をリズムの切れ目へ置いていくところ。
声が前へ走りすぎないので、バンド全体が一つの塊に聞こえます。
この曲は『Tony Hawk’s Pro Skater 3 + 4』のサウンドトラックにも採用され、END ITがハードコアの外側へ届くきっかけの一つにもなりました。
ゲーム経由で名前を知った人にも、いい入口です。
4-2. The Comeback
「The Comeback」は『Unpleasant Living』の最後に置かれた2分40秒の曲です。
前の5曲が短いため、ここへ来ると急に景色が広く感じます。
私が面白いと思うのは、尺を使ってもゴドジーが「歌い上げる」方向へ逃げないこと。
言葉を区切る強さは残しつつ、バンド側が間を作ることで声の存在感を大きくしています。
つまり、声量を上げて迫力を作っているのではなく、周りを引いて迫力を出す。
ボーカルをやっていると、これはかなり重要な違いです。
叫び続けるほうが簡単な場面でも、あえて間を残すから次の一発が重くなる。
4-3. Life Sublime
フルアルバムから一曲選ぶなら、「Life Sublime」は外せません。
Flatspotが先行曲として出した時点で、弾むリズムと新しいギターリフ、ゴドジーの特徴的な声を前面に出していました。
EPのEND ITしか知らない人が聴くと、まずギターの抜け方に耳が行くかもしれません。
でも、私が聴くのは声の余白です。
フレーズを全部同じ強さで押さず、言葉の頭を強くしたあと少し力を抜く。
そこにリズムの跳ねが生まれます。
ハードコアのボーカルに「上手い」という言葉を使うと、音程の話だと思われがちです。
ゴドジーの上手さは、音程よりどこで力を入れて、どこで抜くかにあります。
4-4. Could You Love Me?
そして「Could You Love Me?」。
これはMaximum Penaltyが1996年の『Independent』で発表した曲のカバーで、END IT版は『Wrong Side Of Heaven』の14曲目に収録されています。
ここを聴くと、「END ITは叫ぶだけ」という見方は完全に崩れます。
ゴドジーは声を前へ押すだけでなく、母音を伸ばし、旋律の線を作る。
しかも急に別人のように綺麗に歌うのではなく、普段のざらつきを残したまま歌へ寄せるから説得力がある。
ソウルの要素が単なる資料上の影響ではなく、ボーカルの身体に入っていると分かる曲です。
この一曲があることで、初フル全体の見え方まで変わります。
5. 似ているバンドとの違い

END ITを検索すると、Turnstile、Trapped Under Ice、Maximum Penaltyあたりの名前がよく並びます。
確かに接点はありますが、「似ている」でまとめると個性が消えます。
5-1. Trapped Under Iceとの距離
Trapped Under Iceとの共通点は、まずバルチモアという土地と、重いのに前へ進むグルーヴです。
ただ、END ITのほうが曲を短く削り、ゴドジーの言葉を前へ出す場面が多いと私は感じます。
同じ街の系譜はあっても、コピーには聞こえません。
5-2. Turnstileとは別の伸び方
Turnstileもバルチモア周辺のハードコアから広い層へ届いた存在なので、END ITと並べられるのは自然です。
ただ、広がり方はかなり違います。
Turnstileが作品を重ねながら色彩、空間、ポップなフックまで大きく広げたのに対し、END ITはハードコアの短さと直接性を手放さず、その内部へスラッシュやソウルを差し込む。
私はそこに違いを感じます。
Turnstileの現在のメンバーやバルチモアでの背景を先に押さえたい人は、Turnstileのメンバー徹底解説も合わせてどうぞ。

END ITは今のところ「ハードコアの外へ出る」より、「ハードコアの中にどれだけ違う表情を持ち込めるか」で勝負しているように聞こえます。
5-3. Maximum Penaltyの影響
Maximum Penaltyは、END ITを理解するうえで重要です。
Flatspotは2022年の段階でEND ITの比較対象としてMaximum Penaltyを挙げていますし、2025年には実際に「Could You Love Me?」をカバーしました。
ここでつながるのが、ハードコアとソウルの距離です。
重いリフと叫びだけではなく、歌える声、黒人音楽由来の身体感覚、グルーヴを同じ音楽の中へ入れる。
END ITの「Could You Love Me?」は、そのルーツを説明文で読むより早く理解させてくれます。
古いバンドへの敬意だけでなく、自分たちの声の幅を証明する選曲にもなっています。
6. 配信と盤はどう選ぶか

END ITが気になっても、いきなりレコードを買う必要はありません。
まず配信で2作を通して聴き、それから手元に置きたい版を決めるのが失敗しにくい順番です。
6-1. まず配信で2作を比べる
2026年9月8日時点では、SpotifyとApple Musicで『Unpleasant Living』『Wrong Side Of Heaven』をはじめとするEND ITの音源が配信されており、Amazon Music Unlimitedでも主要作品を聴くことができます。
最初は『Unpleasant Living』を頭から最後まで。
次に『Wrong Side Of Heaven』を通してください。
代表曲だけを拾うより、この順番のほうが「何を残して、何を増やしたか」が分かります。
EPでは声とリフの瞬発力。
フルではその瞬発力を残したまま、歌、余白、ソウル、長めの展開まで使えるようになった。
私はそこを聴き比べてほしいです。
配信状況は地域や契約によって変わるため、最新は各サービスのアプリや公式ページで確認してください。
6-2. 盤を買うなら日本盤から
配信で気に入ったら、最初の一枚は『Wrong Side Of Heaven』日本盤CDが分かりやすいです。
国内盤はRETRIBUTE RECORDS、規格品番RR47、JANは4988044830004。
楽天ブックスでは2026年9月の確認時点で商品ページが存在し、メーカー取り寄せ表示になっています。
新しいからではなく、END ITの短く速い核と、そこから広がった歌の両方が一枚に入っているからです。
一方、『Unpleasant Living』の物理CDは初期EP群まで一枚で追えるので、すでにバンドへハマった人にはむしろ効率がいい。
現在のEND ITを一枚で知るなら『Wrong Side Of Heaven』、初期の流れまでまとめて持つなら『Unpleasant Living』CD。
私はこう分けます。
「レコードだからCDより音がいい」という選び方はおすすめしません。
アナログ、CD、配信はフォーマットだけでなく、どのマスターを使った版か、収録内容が同じかまで見て選ぶほうが確実です。
END IT『Unpleasant Living』CD
荒々しいボルチモア・ハードコアをCDで一気に浴びたい人へ。
END IT / UNPLEASANT LIVING 【CD】
End Itの攻撃的なグルーヴと切迫感を凝縮した一枚。
ハードコア・パンクの勢いを手軽に楽しみたい人におすすめです。
※価格・在庫は変動します。最新情報はAmazonの商品ページでご確認ください。
配信で『Unpleasant Living』まで気に入った人は、Flatspot Records盤CDの収録曲を確認してみてください。
EP本編に加えて初期作までまとめて追えるため、END ITの2017年から2022年までを一枚で聴き比べたい人に向いています。
Amazonや楽天で『END IT Unpleasant Living CD』の仕様と在庫を確認する
※輸入盤は販売店によって品番、在庫、価格が変動します。商品ページの収録曲とレーベル表記を確認してから選んでください。
7. END ITに関するよくある質問(FAQ)
初めて聴く人が迷いやすいところに答えます。
- END ITは何から聴けばいいですか?
-
私は『Unpleasant Living』から入って、そのまま『Wrong Side Of Heaven』へ進む順番をすすめます。
前者で短さ、速さ、グルーヴという核をつかみ、後者で歌や曲調の幅がどこまで広がったかを確認できるからです。
- END ITはどんなジャンルですか?
-
ハードコア、特にバルチモア・ハードコアの文脈で語られることが多いバンドです。
ただ、初フルではクラシックなハードコアだけでなく、スラッシュやソウルの影響も公式に挙げられているので、一つの細いジャンル名だけで決めないほうが実際の音に近いです。
- Turnstileと似ていますか?
-
同じバルチモア周辺のハードコアという接点はありますが、現在の音はかなり違います。
Turnstileがハードコアの外側まで音色を広げたのに対し、END ITは短さと直接性を保ちながら、その内側へスラッシュやソウルを持ち込むタイプだと私は感じます。
- 『Wrong Side Of Heaven』は初アルバムですか?
-
はい。
END ITは2017年から複数のEPを発表してきましたが、15曲入りの『Wrong Side Of Heaven』が2025年8月29日にFlatspot Recordsから出た初のフルアルバムです。
- 2026年に日本でライブを見られますか?
-
2026年9月8日現在、9月11日東京・初台WALL、12日大阪・SUNHALL、13日鈴鹿・ANSWERの3公演が公式に告知されています。
この記事公開後に状況が変わる可能性があるため、チケットと公演情報は主催者の最新案内を確認してください。
8. まとめ
END ITは、90年代ハードコアの感触を持ちながら、昔の型をなぞるだけのバンドではありません。
短い曲、重いリフ、バルチモアらしいグルーヴを核にしながら、初フルではスラッシュ、ソウル、歌えるボーカルまで使えるようになりました。
そして私が一番強く推したいのは、やはりアキル・ゴドジーの声です。
派手なのはシャウト。
でも本当に効いているのは、言葉の頭を強く当て、語尾を切り、必要な場所だけ母音を開くコントロールです。
だから荒いのに、言葉が埋もれない。
この感覚がEND ITのグルーヴを作っています。
- 最初は2022年『Unpleasant Living』を通して聴く
- 次に2025年『Wrong Side Of Heaven』で成長を確かめる
- 歌の幅は「Life Sublime」と「Could You Love Me?」で確認する
- ハマったら初期EPや物理盤まで戻る

初めて聴く順番は『Unpleasant Living』→『Wrong Side Of Heaven』でいい。
この2作を並べれば、END ITがただ懐古的なハードコアではなく、古い強さを現在の身体感覚へ更新しているバンドだと分かるはずです。
速い、重い、怖い。
そこからもう一歩先へ耳を入れてみてください。
声の切り方まで聞こえた瞬間、END ITの面白さは一気に深くなります。




