こんにちは、ジェネレーションBのTAKUです。
エロール・スペンス・ジュニアが、ついにリングを去りました。
ウェルター級で3団体のベルトを統一し、強烈な前進圧力とボディ打ちで世界の強豪を削り続けた「The Truth」。
そのスペンスが引退したと聞いても、「本当に正式な引退なのか」「また復帰するのではないか」と、すぐには受け入れられないファンも多いと思います。
私も、あのショーン・ポーター戦の11ラウンド、真っ向からの打ち合いでダウンを奪った底力を見た時の鳥肌を今でも忘れられません。
「The Truth(真実)」の異名通り、誤魔化しのない強さでウェルター級を支配した彼がリングを去る。
一人のボクシングファンとして、非常に寂しく、大きな節目を感じています。
結論から言うと、スペンスは2026年7月26日のティム・チュー戦後、本人の言葉で現役引退を表明しました。
単なる引退報道や長期休養ではなく、本人が家族との新しい生活へ進む意思を明確にしたものです。
しかも、試合後の敗北感から突然口にしたわけではありません。
新トレーナーのロニー・シールズによると、スペンスは試合前から、チューに敗れた場合は引退するとチームに伝えていました。
この記事では、正式な引退表明の内容、目の手術や交通事故、クロフォード戦後の長い空白期間、現在の活動、復帰の可能性まで整理します。
惜しまれる引退だからこそ、全盛期のスペンスがどれほど強かったのかも、代表的な名勝負とともに振り返っていきましょう。
この記事でわかること
- エロール・スペンスは正式に引退したのか
- 目の手術や事故と引退理由の関係
- 通算戦績とウェルター級で残した功績
- 現在の活動と復帰の可能性
1. エロール・スペンスは正式に引退
エロール・スペンス・ジュニアの引退は、報道だけが先行している段階ではありません。
2026年7月26日、オーストラリア・シドニーで行われたティム・チュー戦に判定で敗れた直後、スペンス本人がリング上と試合後の取材で引退の意思を明らかにしました。
何が本人の口から語られたのか、家族や陣営がどのように受け止めていたのかを整理します。
1-1. チュー戦後に本人が引退表明

スペンスはティム・チューとのミドル級12回戦に出場し、110-118、111-117、111-117の0-3判定で敗れました。
0-3判定とは、3人の採点者全員が相手の勝利を支持したという意味です。
試合後、スペンスはチューと陣営をたたえたうえで、自分自身について抱えていた疑問に答えが出たという趣旨の発言をしました。
そして、家族の待つ家へ帰り、新しい人生を始める時だという意思を明確にしています。
2026年7月27日時点では、スペンスの引退は本人が明言した正式な引退表明として扱うのが妥当です。
ボクシングでは、試合後の感情が高ぶった状態で引退を口にし、数カ月後に撤回する選手もいます。
しかし、今回のスペンスは、その場の悔しさだけで引退を決めたわけではありません。
チュー戦で新たにコンビを組んだトレーナーのロニー・シールズは、スペンスが試合前から「負けた場合はキャリアを終える」とチームに伝えていたことを明かしています。
つまり、引退は敗戦後に思いついたものではなく、試合前から覚悟していた結論でした。
スペンスは、身体や認知機能が保たれている状態で競技を離れられること、家族がいること、経済的にも安定していることを引退の理由として挙げています。
衰えを感じながら金銭だけを目的に戦い続ける選手にはなりたくないという趣旨の発言もありました。
そこには、敗北に打ちのめされた選手の投げやりな言葉ではなく、自分の現在地を受け入れた36歳の元王者の決断が感じられます。
スペンスがリングを去った事実は寂しいです。
ただ、身体も生活も壊してからではなく、自分の意思で終わりを決められたことは、長い目で見れば救いだったのかもしれません。
1-2. 家族も引退の判断に同意
スペンスの引退は、本人だけで決めたものではありません。
シドニーまで応援に訪れていた家族も、試合後にグローブを置く時だと伝え、引退という判断に同意していたことが報じられています。
スペンスにとって、家族はキャリアを通じて大きな支えでした。
父親は、幼いスペンスの有り余るエネルギーを見抜き、ボクシングジムへ連れて行った人物です。
その後も家族は、アマチュア時代から世界王者になるまで、スペンスのキャリアを近くで支え続けました。
スペンスには複数の子どもがいます。健康な父親として子どもたちの成長を見守ることは、王座や勝利とは別の大きな目標だったはずです。
◆TAKUのワンポイント
引退試合の会場には、2023年にスペンスへプロ初黒星を与えたテレンス・クロフォードも姿を見せていました。
ウェルター級の頂点を争った宿敵がリングサイドで見守る中、一つの時代が静かに終わりました。
2. 引退を決断した主な理由

スペンス本人は、引退の理由を一つだけに限定して説明したわけではありません。
キャリア後半を振り返ると、両目の手術、2019年の交通事故、クロフォード戦での大敗、約3年間の空白、体重調整の難しさなど、複数の問題が重なっていたことが分かります。
ここでは、確認されている事実と、周囲から示された見方を区別しながら整理します。
2-1. 両目の手術と視力への不安
エロール・スペンスの目の状態は、キャリア後半を語るうえで避けられない問題です。
2021年8月、マニー・パッキャオとの試合を控えたメディカルチェックで、左目に網膜裂孔が見つかりました。
網膜裂孔とは、目の奥にある網膜に裂け目が生じた状態です。
スペンスは手術を受け、予定されていたパッキャオ戦を欠場しました。
さらにクロフォード戦後には、右目の白内障手術を受けたことを自身で公表しています。
左目は網膜裂孔、右目は白内障であり、左右の目を同じ症状で手術したわけではありません。
目の状態が競技能力にどの程度影響したかは、本人や医療関係者以外が医学的に断定できるものではありません。
チューは試合前の会見で、スペンスの網膜を狙う趣旨を含む挑発的な発言をしました。
スペンスは発言に強い不快感を示し、会見や試合直前の対面で握手を拒む場面もありました。
ただし、チュー戦で見られた動きの低下を、目の手術だけに結びつけることはできません。
約3年間の空白、年齢、交通事故、階級変更など、さまざまな条件が重なっていたからです。
確実に言えるのは、スペンスが左右それぞれ異なる目の手術を経験し、それでも世界のトップ選手との試合へ戻ろうとしたことです。
その挑戦自体、簡単にできるものではありません。
2-2. 交通事故後に残った身体の変化
2019年10月、スペンスは米国テキサス州ダラスで、フェラーリを運転中に大きな交通事故を起こしました。
車は中央分離帯を越えて複数回横転し、シートベルトを着用していなかったスペンスは車外へ投げ出されました。
骨折はなかったものの、顔面の裂傷や歯の損傷などを負い、病院で治療を受けています。
事故は飲酒運転によるもので、スペンスは2022年6月に飲酒運転の罪を認め、有罪判決を受けました。
事故については、単に「不運な交通事故」として扱うことはできません。
スペンス本人に重大な責任があった飲酒運転事故であり、本人も自身の判断が誤っていたことを認めています。
その一方で、事故から約14カ月後の2020年12月には、ダニー・ガルシアを相手に復帰しました。
復帰戦では、ジャブと距離管理で元2階級王者をコントロールし、3-0の判定勝ちを収めています。
この試合だけを見れば、事故前の力を取り戻したようにも見えました。
しかし、チュー戦の中継解説を務めたポーリー・マリナッジとショーン・ポーターからは、試合開始直後からスペンスのバランスを不安視する声が上がりました。
前足へ体重が乗りすぎ、パンチを打った後に姿勢を戻せない場面も見られています。
リングサイドで観戦していたクロフォードも、試合後にスペンスのバランスや反応速度の低下を指摘しました。
交通事故と競技能力の変化について、公式な医学的因果関係が示されているわけではありません。
事故後やチュー戦で見られた動きを、解説者や元対戦相手が技術的に分析したものとして受け止める必要があります。
私が全盛期のスペンスに感じていた魅力は、ただ前へ出るだけではないことでした。
上半身を細かく動かし、ジャブで相手の反応を引き出し、位置を少しずつ変えながら逃げ道を奪っていく。
足を大きく使う華やかなタイプではありませんが、相手にとっては常に窮屈な場所へ追い込まれる怖さがありました。
チュー戦のスペンスには、その細かな調整が以前ほど見られませんでした。
原因を一つに決めつけるべきではありませんが、身体が全盛期と同じ状態ではなかったことは、試合内容からもうかがえます。
2-3. クロフォード戦と3年の空白
スペンスのキャリアを大きく変えた試合が、2023年7月29日のテレンス・クロフォード戦です。
当時、スペンスはWBA、WBC、IBFのウェルター級王座を保持していました。
クロフォードはWBO王者であり、勝者が主要4団体すべてのベルトを持つ4団体統一戦でした。
無敗の王者同士による頂上決戦でしたが、試合は予想を超える一方的な展開になります。
スペンスは2回に1度、7回に2度のダウンを奪われ、9回にレフェリーが試合を止めました。
ストップ負けとは、選手が大きなダメージを受け、続行が危険だとレフェリーなどが判断して試合を終わらせる決着です。
スペンスにとってはプロ初黒星であり、保持していた3本のベルトもすべて失いました。
その後、2026年7月のチュー戦までリングから離れた期間は1,093日間です。
およそ3年間、実戦を経験していなかったことになります。
チュー戦に向けて、スペンスは長年組んできたデリック・ジェームズではなく、ロニー・シールズを新トレーナーに迎えました。
シールズは厳しい練習を課し、スペンス自身も、身体が練習の速度についていくまで時間がかかったという趣旨の話をしています。
どれほど練習を重ねても、試合の速度、相手の圧力、12ラウンドを通した緊張感は、実戦でなければ完全には取り戻せません。
まして復帰戦の相手は、元世界王者のティム・チューです。
約3年の空白を経た36歳の選手にとって、非常に厳しい相手でした。
クロフォードの戦績と強さについては、サイト内のテレンス・クロフォードの戦績と強さを解説した記事でも詳しく紹介しています。

◆TAKUのワンポイント
2-4. 減量苦とミドル級への転向

スペンスはプロデビューから長くウェルター級を主戦場にしてきました。
ウェルター級の上限は147ポンド、約66.7キロです。
しかし、年齢とともに身体が大きくなり、ウェルター級の体重を作ることは徐々に難しくなっていました。
チュー陣営は当初、スーパーウェルター級の上限である154ポンドでの試合を想定していました。
交渉の結果、試合は158ポンド、約71.7キロの契約体重で合意されます。
ところが試合のおよそ2週間前、スペンス側の要望により、上限160ポンド、約72.6キロのミドル級へ変更されました。
チュー戦が160ポンドになったのは、単に主催者が決めたのではなく、スペンス側の要望を受けた変更です。
ウェルター級の上限からは13ポンド、約5.9キロ上です。
スペンスにとっては、実質的に2階級上げての復帰でした。
減量の負担が軽くなる一方で、相手も大きくなり、パンチの重さや接触時の圧力も増します。
全盛期のスペンスは、ウェルター級では体格と身体の強さで優位に立つ場面が多くありました。
しかしミドル級では、その優位性を同じように使えるとは限りません。
チュー戦で中盤以降にボディを攻められ、動きが落ちていった展開を見ると、階級を上げればすべてが解決するほど単純ではなかったことが分かります。
減量苦から解放されても、約3年の空白や年齢、身体の変化まで消えるわけではありません。
ミドル級への変更は復活への答えではなく、スペンスが現在の身体で戦うために選んだ最後の方法だったのかもしれません。
3. プロフィールと通算戦績
引退時点の数字だけを見ると、最後の2連敗が強く残るかもしれません。
しかし、スペンスのキャリア全体を見れば、ウェルター級の強豪を次々と破り、3団体統一まで到達した偉大な王者だったことに変わりはありません。
基本プロフィール、通算戦績、獲得した主要タイトルを整理します。
3-1. 30戦28勝22KO2敗

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | エロール・スペンス・ジュニア |
| ニックネーム | The Truth |
| 生年月日 | 1990年3月3日 |
| 引退時の年齢 | 36歳 |
| 出身 | 米国ニューヨーク州ロングアイランド |
| 育った地域 | 米国テキサス州デソト |
| 身長 | 約177センチ |
| リーチ | 約183センチ |
| 構え | サウスポー |
| プロデビュー | 2012年11月9日 |
2026年7月27日時点のプロ戦績は、30戦28勝22KO2敗です。
| 戦績項目 | 記録 |
|---|---|
| 総試合数 | 30戦 |
| 勝利 | 28勝 |
| KO・TKO勝利 | 22勝 |
| 判定勝利 | 6勝 |
| 敗戦 | 2敗 |
| 引き分け | 0分 |
| 総試合数に対するKO率 | 73.3% |
| 勝利数に対するKO率 | 78.6% |
最初の敗戦は2023年のクロフォード戦での9回TKO負け、2敗目は2026年のチュー戦での判定負けです。
2017年のケル・ブルック戦終了時点では、22戦22勝19KOでした。
ただ、スペンスの強さはKO数だけでは表せません。
硬い右ジャブで相手の顔を上げ、サウスポーから左ストレートを打ち込み、最後は左右のボディで動きを止める。
一発で倒すというより、ラウンドを重ねながら相手の体力と気力を奪うタイプでした。
2019年のマイキー・ガルシア戦以降に判定決着が増えたのは、対戦相手の水準がさらに上がったことも大きいでしょう。
強豪との12ラウンドを支配し続けることも、世界王者の強さです。
3-2. ウェルター級3団体統一の実績
スペンスはウェルター級でIBF、WBC、WBAスーパー王座を獲得し、3団体統一王者になりました。
統一王者とは、同じ階級に存在する複数の主要団体の世界王座を同時に保持する王者です。
| 主要タイトル | 獲得試合 | 結果 | 防衛回数 |
|---|---|---|---|
| IBF世界ウェルター級 | 2017年 ケル・ブルック戦 | 11回KO勝ち | 王座獲得後6試合で防衛 |
| WBC世界ウェルター級 | 2019年 ショーン・ポーター戦 | 12回判定勝ち | 王座獲得後2試合で防衛 |
| WBA世界ウェルター級スーパー | 2022年 ヨルデニス・ウガス戦 | 10回TKO勝ち | 3団体統一を達成 |
最初の世界王座は、2017年に英国でケル・ブルックを破って獲得したIBF王座です。
敵地の大観衆を前に、王者を後半で削り切った勝利でした。
2019年にはショーン・ポーターとの激戦を制してWBC王座を統一。
2022年にはヨルデニス・ウガスを10回で止め、WBA王座も加えて3団体統一を成し遂げています。
2023年、WBO王者クロフォードとの4団体統一戦に敗れ、すべての王座を失いました。
それでも、世界王者として複数の強豪を退け、ウェルター級の中心に何年も立ち続けた実績は消えません。
スペンスは、2010年代後半から2020年代前半のウェルター級を代表する王者の一人です。
クロフォード戦の敗北だけで、それ以前に築いた価値まで小さく見るべきではありません。
4. 全盛期を刻んだ代表的な名勝負
スペンスの引退を知って初めて興味を持った人にも、ぜひ過去の試合を観てほしいと思います。
結果だけでは、全盛期の前進圧力、ボディ打ち、12ラウンドを通して落ちなかった運動量は伝わりません。
ここでは、スペンスの強さとキャリアの変化が分かる代表的な試合を振り返ります。
4-1. ブルック戦からウガス戦まで

ケル・ブルック戦
2017年5月、英国シェフィールドで行われたIBF世界ウェルター級タイトルマッチです。
会場には約2万7,000人が集まり、スペンスにとって完全な敵地でした。
序盤から中盤はブルックも強さを見せましたが、スペンスはボディを攻め続け、徐々に王者の動きを止めます。
10回にスペンスがダウンを奪い、11回には左目の負傷が悪化したブルックが自ら膝をつきました。
ブルックはカウント内に立ち上がることができず、スペンスが11回KO勝ちで初の世界王座を獲得しています。
ブルックは左目の眼窩底を骨折していました。
スペンスが10回と11回にパンチで2度打ち倒したというより、10回にダウンを奪い、その後も攻撃を続けた結果、11回にブルックが試合続行を断念したという整理が正確です。
マイキー・ガルシア戦
2019年3月、無敗の4階級制覇王者マイキー・ガルシアを迎えた防衛戦です。
体格差が注目されましたが、スペンスは力任せに倒しにいきませんでした。
長いリーチを生かしたジャブと距離管理でガルシアをコントロールし、12ラウンドを通して大差の判定勝ちを収めています。
この試合では、スペンスが単なる圧力型ではなく、相手に合わせて戦い方を変えられる選手だと分かります。
ショーン・ポーター戦
2019年9月のWBC・IBF王座統一戦です。
変則的な突進と接近戦を得意とするポーターに対し、スペンスも近い距離で真っ向から応戦しました。
両者が激しく打ち合う中、11回にスペンスが左フックでダウンを奪います。
このダウンが勝敗を分け、スペンスが2-1の判定で勝利しました。
2-1判定とは、3人の採点者のうち2人がスペンス、1人がポーターの勝利を支持した接戦です。
スペンスの技術だけでなく、気持ちの強さまで伝わる名勝負でした。
ヨルデニス・ウガス戦
2022年4月、WBA、WBC、IBFの3団体統一を懸けて行われました。
中盤にはウガスの右を受け、マウスピースを飛ばされてロープ際まで後退する危険な場面もあります。
しかし、スペンスはそこから攻撃量を上げ、ウガスの右目が塞がるほど連打を重ねました。
10回に試合が止められ、スペンスがTKO勝ちで3団体統一を達成しています。
◆TAKUのワンポイント
過去試合の配信状況は、国や時期、サービスによって変わります。
クロフォード戦、ポーター戦、ガルシア戦などを高画質で観返したい場合は、WOWOWやDAZNを含む各動画配信サービスで、選手名や大会名を検索してください。
日本での配信や視聴方法を確認したい人は、サイト内のスペンス対チューの配信・視聴方法を解説した記事も参考にしてください。

過去試合のアーカイブは、配信期間の終了や権利の変更によって視聴できなくなることがあります。
登録や購入を行う前に、正確な配信状況は各サービスの公式サイトをご確認ください。
スペンスが刻んだ激闘を振り返り、また彼が去った後の海外ボクシング界(クロフォードやチューらの最新動向)を最前線で追い続けるなら、主要VOD・放送サービスの選択肢は以下の2つに集約されます。
| サービス | 月額料金 | 特徴・海外ボクシングの強み | おすすめな人 |
|---|---|---|---|
| DMM×DAZNホーダイ | 3,480円(税込) | DAZNの全コンテンツに加えDMMポイント還元あり。単体契約より割安で主要興行をカバー。 | コスパ重視で海外ビッグマッチから国内外の他スポーツまで幅広く楽しみたい人 |
| WOWOW | 2,530円(税込) | 『エキサイトボクシング』での独自解説と世界最高峰の一戦を生中継。録画・保存も可能。 | 質の高い日本語解説や、名マッチの録画・永久保存にこだわりたい本格派 |
「過去の名勝負をもう一度チェックしたい」「今後の海外王座戦を見逃したくない」という方は、まずはご自身の観戦スタイルに合わせて上記の公式サイトで最新の配信・放送スケジュールを確認してみるのが確実です。
DMM×DAZNホーダイなら単体加入より月々の負担を抑えてお得にスタートできます。
DMM×DAZNホーダイで最新の配信スケジュールを確認する
WOWOWでエキサイトマッチの放送予定をチェックする
4-2. クロフォード戦で迎えた転機

2023年のクロフォード戦は、スペンスのキャリア最大の試合であり、最大の転機でもありました。
当時のスペンスはWBA、WBC、IBF王者、クロフォードはWBO王者。
勝者がウェルター級の主要4団体を統一する、歴史的な一戦です。
試合前は接戦を予想する声も多く、スペンスの圧力とボディ打ちがクロフォードを苦しめる可能性も十分にあると見られていました。
しかし、クロフォードはスペンスのジャブに正確なカウンターを合わせ、攻撃の始まりを次々と止めました。
スペンスが得意としてきた距離に入る前にパンチを当て、近い距離でも素早い連打で上回ります。
2回に最初のダウンを奪うと、7回にさらに2度倒し、9回に試合を終わらせました。
スペンスが弱かったというより、クロフォードがスペンスの強みをほとんど使わせなかった試合です。
全盛期の評価を、一夜の敗戦だけで決めることはできません。
ただし、この試合で受けた肉体的、精神的な負担が、その後の長期離脱に影響した可能性はあるでしょう。
そして約3年後のチュー戦でも以前の姿を取り戻せなかったことで、スペンス自身が引退という答えにたどり着きました。
あなたは、クロフォード戦を「スペンスが終わった試合」と感じるでしょうか。
私はそうではなく、最強と呼ばれた二人の間にも、相性と完成度の差が残酷なほど表れることを示した試合だったと考えています。
5. 引退後の現在と新たな生活
2026年7月27日時点で、スペンスは引退を表明した直後です。
トレーナーや解説者など、ボクシング界での次の役割については、まだ具体的に明らかにしていません。
本人が最優先に挙げているのは、家族の待つ家へ帰り、新しい人生を始めることです。
スペンスは試合後、経済面でも安定しており、収入を得るためだけに現役を続ける必要はないという趣旨の説明をしました。
ただし、資産額や投資、事業の具体的な内容が詳しく公表されたわけではありません。
確認できるのは、金銭的な理由でリングへ戻る必要はないと本人が認識していることです。
ボクサーが引退後に生活の不安を抱え、再び危険な試合へ戻る例は珍しくありません。
その点、スペンスが身体と認知機能が保たれているうちに辞められたこと、経済面でも不安がないと話していることは、大きな安心材料です。
今後、指導者、解説者、プロモーターとしてボクシングに関わる可能性はあります。
しかし現時点では、それらは決定事項ではありません。
まずは父親として、家族と過ごす時間を取り戻す。それがスペンスの現在です。
スペンスの引退後の活動について新たな正式発表が出た場合は、内容を確認したうえで記事を更新します。
6. エロール・スペンス復帰の可能性

ボクシング界では、引退した選手が数年後に復帰することがあります。
そのため、スペンスについても「本当に戻らないのか」と考えるファンはいるでしょう。
未来のことを完全に断定することはできません。
ただ、2026年7月27日時点では、世界王座を目指す本格的な復帰の可能性は低いと私は見ています。
第一の理由は、本人の引退に対する考え方が明確だからです。
スペンスは、能力が落ちた状態で金銭のためだけに戦い続ける選手にはなりたくないと話しています。
自分の身体の状態を受け入れ、健康なまま競技を離れることに価値を置いています。
第二の理由は、試合前から、敗れた場合は引退すると決めていたことです。
突然の感情ではなく、陣営と共有したうえでチュー戦を最後の勝負と位置付けていました。
第三の理由は、家族も引退に同意していることです。
身近な人たちが復帰を望むのではなく、グローブを置く時だと判断しています。
そして、左右の目の手術歴、大きな交通事故、クロフォード戦とチュー戦で受けたダメージ、約3年の空白期間があります。
これらを考えると、再び世界上位を目指して長期的な現役生活へ戻ることは現実的ではないでしょう。
復帰の可能性を完全にゼロと断定することはできません。
ボクシング界では引退表明が撤回される例があり、今回の引退についても「将来考えが変わる可能性は残る」という見方があります。
今後の判断は、本人や陣営からの正式発表を確認する必要があります。
一夜限りの記念的な試合まで含めれば、将来何が起きるかは分かりません。
しかし、世界王座を狙う現役選手として戻る可能性は、今のところ高いとは言いにくいです。
私は、スペンスには無理に復帰してほしいとは思いません。
ケル・ブルック、マイキー・ガルシア、ショーン・ポーター、ダニー・ガルシア、ヨルデニス・ウガスという強豪を破り、3団体を統一した。
それだけで十分に、後世へ残るキャリアです。
もう一度リングに上がる姿を見たいというファン心理は分かります。
でも、本当に大切なのは最後の一戦を増やすことではなく、これまでの名勝負が損なわれずに語り継がれることではないでしょうか。
7. エロール・スペンスの引退に関するよくある質問(FAQ)
最後に、エロール・スペンスの引退、現在、目の状態、戦績、復帰について、よく検索される疑問をまとめます。
状況は今後変化する可能性があるため、最新の発表については、本人や関係団体、配信サービスなどの公式情報もあわせて確認してください。
- エロール・スペンスは正式に引退したのですか?
-
はい。2026年7月26日のティム・チュー戦後、スペンス本人がリング上と試合後の取材で引退の意思を明らかにしました。単なる休養報道ではなく、本人の言葉による正式な引退表明として扱うのが妥当です。
- エロール・スペンスの引退理由は何ですか?
-
本人は、能力が衰えた状態で金銭のためだけに戦い続けたくないことや、健康な状態で家族との新しい生活へ進みたいことを理由として語っています。目の手術、交通事故、クロフォード戦後の約3年間の空白、チュー戦での敗北など、複数の要素も背景にあったと考えられます。
- スペンスの目にはどのような問題がありましたか?
-
2021年に左目の網膜裂孔が見つかり、手術を受けました。さらにクロフォード戦後には、右目の白内障手術を受けたことを公表しています。左右で異なる症状です。競技能力への具体的な影響については、医学的な断定を避ける必要があります。
- エロール・スペンスの最終戦績は?
-
2026年7月27日時点のプロ戦績は、30戦28勝22KO2敗です。敗れた相手はテレンス・クロフォードとティム・チューの2人で、引き分けはありません。
- スペンスが復帰する可能性はありますか?
-
将来を完全に断定することはできませんが、世界王座を目指す本格的な復帰の可能性は低いと考えられます。本人の引退意思が強く、試合前から敗れた場合は引退すると決めていたうえ、家族もその判断に同意しているためです。
8. エロール・スペンスの功績まとめ

エロール・スペンス・ジュニアは、2026年7月26日のティム・チュー戦後、現役引退を表明しました。
最後の試合は大差の判定負けでしたが、その一戦だけでスペンスのキャリアを評価することはできません。
- 2026年7月26日のチュー戦後に正式な引退を表明
- 試合前から敗れた場合は引退すると陣営に伝えていた
- 最終戦績は30戦28勝22KO2敗
- IBF、WBC、WBAのウェルター級3団体を統一
- 左目の網膜裂孔と右目の白内障で手術を経験
- 2019年の飲酒運転事故後も世界王者として復活
- クロフォード戦後に約3年間リングを離れた
- 引退後は家族との生活を最優先にする意向
- 本格的な復帰の可能性は現時点で低い
全盛期のスペンスは、派手な一発だけに頼る選手ではありませんでした。
硬いジャブ、強烈な左、逃げ道を奪う前進、身体を削るボディ打ち、そして12ラウンドを通じて落ちなかった運動量。
対戦相手を少しずつ追い詰め、気がついた時には何もできなくさせる。そんな怖さを持った王者でした。
クロフォードには完敗し、最後はチューにも敗れました。
それでも、ケル・ブルックの敵地へ乗り込み、ポーターとの死闘を制し、事故と目の手術を経験しながらウガスを止め、3団体を統一した事実は変わりません。
エロール・スペンスは、ウェルター級の一時代を確かに支配した本物の世界王者でした。
惜しまれる引退だからこそ、過去の名勝負をもう一度観返してみてください。
勝敗を知った後だから見える技術もあり、引退を知った後だから胸に残る場面もあります。
あなたの記憶に残っているスペンスのベストファイトは、どの一戦でしょうか。
熱は、まだ終わらない。
本記事の試合結果、選手の声明、戦績は、2026年7月27日時点の報道および公表情報に基づいています。引退後の活動や過去試合の配信状況は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
本文中の解説者や元選手による分析は、それぞれの技術的な見解であり、目の手術や交通事故と競技能力との医学的な因果関係を示すものではありません。


