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どこか懐かしく、見ているだけで口の中にじゅわっと広がる酸味。
おばあちゃんの梅干しのような、あのしょっぱい酸っぱい伝統の味を、ご家庭で手作りしてみませんか。
通販で探すのも良いですが、自分で作る喜びはまた格別です。
ただ、梅干しの漬け方初心者の方にとっては、「塩分量はどのくらいですか?」とか「梅干しは何日ぐらい干すんですか?」といった疑問が次々と浮かぶかもしれません。
また、10年前の梅干しは食べられるのか、あるいは梅干しは5年でどうなりますかといった長期保存に関する興味もあることでしょう。
実は、昔ながらの梅干しの作り方は驚くほど簡単です。
市販品に多い甘い作り方とは異なり、特別な道具がなくても、NHKの料理番組で紹介されるような、簡単ジップロックを活用した方法で気軽に始められます。
この記事では、初心者の方が失敗しないための最適な塩分量から具体的な手順、そして長期熟成の魅力まで、昔ながらの梅干しの作り方を分かりやすく解説します。
昔ながらの製法が初心者におすすめな理由
失敗を防ぐための最適な塩分量と漬け方のコツ
ジップロックを使った具体的な簡単手順
自家製梅干しの長期保存性と味の変化




1.昔ながらの梅干し作り方が簡単な理由と準備
あの懐かしいおばあちゃんの梅干しを自宅で
しょっぱい酸っぱい味が腐敗を防ぐ秘訣
最適な塩分量はどのくらいですか?
梅干しの漬け方初心者が知るべきコツ
容器不要!簡単ジップロック活用術
甘い梅干しの作り方との違いとは?
1-1.あの懐かしいおばあちゃんの梅干しを自宅で
多くの人が懐かしさを感じる、おばあちゃんが作ってくれたような伝統的な梅干し。
この梅干しは、実は家庭でも十分に再現することが可能です。
その理由は、作り方が非常にシンプルであるためです。
市販されている梅干しの多くは、はちみつや化学調味料で味付けされた「調味梅干し」ですが、昔ながらの製法で作る「白干し梅」の原材料は、基本的に「梅」と「塩」だけ。
余計なものを加えないからこそ、梅本来のキリっとした豊かな酸味と香り、そして塩の旨味がダイレクトに味わえます。
もちろん、シンプルだからこそ、素材の質が味を大きく左右します。
梅干し作りに最適なのは、黄色く熟して桃のような甘い香りがする「完熟梅」です。
青梅でも作れないことはありませんが、果肉が硬く、アク抜きの手間もかかるため、初心者の方はまず完熟梅から始めることをおすすめします。
旬の時期に良質な梅を手に入れることが、美味しい梅干し作りへの第一歩となります。
1-2.しょっぱい・酸っぱい味が腐敗を防ぐ秘訣
昔ながらの梅干しが持つ、あの強烈なしょっぱさと目の覚めるような酸っぱさ。
この独特な味わいは、単なる味の特徴ではなく、梅干しを長期間腐らせずに保存するための、先人たちの知恵の結晶と言えます。
この保存性の高さの理由は二つあります。
一つは、高い塩分濃度です。
塩には水分を外に出す「脱水作用」と、菌の繁殖に必要な水分を奪う「浸透圧」という働きがあります。
これにより、カビや腐敗菌といった微生物が活動しにくい環境を作り出しているのです。
もう一つは、梅自体に含まれる豊富な「クエン酸」です。
このクエン酸には強力な静菌作用があり、塩の働きと合わさることで、保存効果を一層高めてくれます。
つまり、しょっぱさと酸っぱさは、美味しさの要素であると同時に、天然の保存料の役割を果たしているわけです。
逆に言えば、塩分や酸味を抑えると、その分だけ保存性が低下し、腐敗のリスクが高まるというデメリットも理解しておく必要があります。
1-3.最適な塩分量はどのくらいですか?
梅干し作りで初心者が最も悩むポイントの一つが、塩の分量でしょう。
結論から言うと、初めて挑戦する方が失敗なく作るには、梅の重量に対して「18%〜20%」の塩分濃度が最適と考えられます。
この塩分濃度が推奨される理由は、カビの発生を効果的に防ぎつつ、梅のエキスである「梅酢」がスムーズに上がってくるのを助けるためです。
梅酢が早く梅全体を覆うことが、カビ防止の最も重要な鍵となります。
例えば、梅1kgに対して塩は180g〜200gを用意します。
塩分濃度による特徴を以下の表にまとめました。
塩分濃度 | 作りやすさ(カビのリスク) | 味・風味 | 保存性 | 備考 |
---|---|---|---|---|
18%〜20% | ◎ 作りやすい(低い) | しょっぱさが強いが、熟成でまろやかになる | ◎ 非常に高い(常温で数年〜) | 初心者に最もおすすめ。 |
15%〜17% | 〇 やや注意が必要 | 比較的マイルド | 〇 高い(常温で1年〜) | 慣れてきた方向け。消毒など基本を徹底する必要がある。 |
10%〜12% | △ 難しい(高い) | 食べやすいが塩味はしっかり | △ 低い(要冷蔵・早めに消費) | 減塩梅干し。上級者向けで、酢を加えるなどの工夫が必要。 |
20%の塩分は、出来立てを口にするとかなりしょっぱく感じますが、心配は要りません。
数ヶ月から数年かけて熟成させることで塩の角が取れて味がまろやかになります。
また、食べる直前に水に浸して「塩抜き」をすることで、好みの塩加減に調整することも可能です。
1-4.梅干しの漬け方初心者が知るべきコツ
梅干しの漬け方で初心者が成功を収めるためには、いくつかの基本的なコツを押さえることが大切です。
特に重要なのは、「良質な梅選び」「道具の徹底消毒」、そして「梅酢を迅速に上がらせること」の三点です。
これらのポイントをしっかり守ることで、失敗の最大の原因であるカビの発生を未然に防ぐことができます。
傷のない完熟梅を選ぶ
前述の通り、梅干し作りには黄色く熟した完熟梅が適しています。
購入する際は、表面に傷や斑点がないか、一つひとつ丁寧に確認しましょう。
傷んだ部分から雑菌が侵入し、カビの発生源となる可能性があるからです。
もし、購入した梅がまだ青い場合は、新聞紙を敷いた段ボールなどに入れて、常温で1〜2日追熟させると黄色くなり、甘い香りがしてきます。
容器や道具は熱湯やアルコールで徹底消毒
梅が触れる容器、落し蓋、重石など、使用する道具はすべて雑菌が付着していない状態にしておく必要があります。
使用前にきれいに洗い、乾かした上で、熱湯を回しかける「熱湯消毒」や、アルコール度数の高い焼酎(35度以上)または食品用アルコールスプレーを吹きかけて拭き上げる「アルコール消毒」を徹底してください。
このひと手間を惜しまないことが、成功への近道です。
重石を適切に使い、梅全体を梅酢に浸す
塩漬けにした後、梅から水分(梅酢)が上がってきます。
この梅酢が梅全体を完全に覆うことで、梅が空気に触れるのを防ぎ、カビの繁殖を抑制します。
そのためには、適切な重さの重石を乗せ、梅酢が早く十分に上がるように促すことが重要です。
重石の重さは、一般的に梅の重量の1〜2倍が目安とされています。
1-5.容器不要!簡単ジップロック活用術
「梅干し作りに挑戦したいけれど、大きな漬物樽や重石を置く場所がない」と諦めていませんか。
現代では、ジップロックのような食品用保存袋を活用することで、誰でも手軽に梅干しを漬けることが可能です。
この方法の最大のメリットは、省スペースで少量から始められる点です。
ジップロックは密閉性が非常に高く、内部の空気をしっかりと抜くことで、梅が空気に触れる面積を最小限に抑えられます。
これにより、カビの発生リスクを効果的に低減できるのです。
作り方は至ってシンプル。
消毒した梅と計量した塩をジップロックに入れ、袋の上から優しく揉んで塩を全体に行き渡らせます。
その後、できるだけ空気を抜いてジッパーをしっかりと閉め、受け皿などの上に置きます。
重石は、水の入った500mlや2Lのペットボトルで代用可能です。
梅酢が上がってきたら、袋を時々優しく揺すって、梅酢が全体に行き渡るようにします。
ただし、注意点として、袋が破れて梅酢が漏れ出す可能性があります。
対策として、ジップロックを二重にしたり、万が一に備えて必ず深めのバットやお盆の上で作業したりすることをおすすめします。
「ジップロックで手軽に」という方向性と並行して、「本格的に始めたい」「毎年続けたい」という方向けの道具もご紹介します。



1-6.甘い梅干しの作り方との違いとは?
昔ながらのしょっぱい梅干しと、スーパーなどでよく見かける甘い梅干し。
これらは見た目や味が違うだけでなく、その製造工程と保存性が根本的に異なります。
この違いを理解することは、自分の好みに合った梅干しを選ぶ上で役立ちます。
昔ながらの梅干し(白干し梅)の作り方は、これまで説明してきた通り、「塩漬け」と「天日干し」という非常にシンプルな工程です。
塩だけで長期間保存できるように作られています。
一方、市販で人気の甘い梅干し(調味梅干し)は、より複雑な工程を経て作られます。
まず、高い塩分濃度で塩漬けした梅干しを水に浸して「塩抜き」をします。
その後、塩味が抜けた梅を、はちみつ、砂糖、みりん、出汁といった調味液に漬け込んで味を付け直すのです。
このため、調味梅干しは塩分濃度が低く(多くは8%前後)、そのままだと保存が効きません。
したがって、保存性を高めるために酒精(アルコール)や保存料といった添加物が使われることが一般的です。
また、塩抜きによって梅本来の有効成分が一部失われる可能性も指摘されています。
どちらが良い悪いというわけではなく、添加物を使わない自然な保存食を求めるなら昔ながらの製法、食べやすさを重視するなら調味梅干し、というように目的や好みに応じて選ぶことが大切です。
2.初心者向け昔ながらの梅干し作り方・簡単手順
NHKで学ぶ梅干し作り方の簡単ポイント
梅干しは何日ぐらい干すんですか?
梅干しは5年でどうなりますか?味の変化
驚き!10年前の梅干しは食べられる?
手作りが無理なら通販という選択肢も
昔ながらの梅干し作り方は簡単で奥深い
2-1.NHKで学ぶ梅干し作り方の簡単ポイント
「本田明子の初夏の手仕事」
— NHKきょうの料理公式 (@nhk_ryouri) June 1, 2025
初夏の手仕事、初日は「きほんの #梅干し」です。「梅干しは年に一度の実験」と語る #本田明子 さんが、初心者でも失敗知らずの漬け方と梅の風味を生かした絶品料理をご紹介します。
放送は【Eテレ】2日(月)夜9時~https://t.co/sUGpkSQgia
NHKの「きょうの料理」などの料理番組で紹介される梅干しの作り方は、長年の放送で培われたノウハウが詰まっており、基本に忠実で非常に分かりやすいのが特徴です。
そのため、初心者の方が最初に参考にするには最適と言えるでしょう。
番組で紹介されるレシピでは、多くの場合、成功の鍵となる基本的な下処理の重要性が強調されています。
例えば、以下のようなポイントが挙げられます。
- 梅のヘタ取り:竹串や爪楊枝を使って、梅の実を傷つけないように一つひとつ丁寧に取り除くこと。ヘタが残っていると、えぐみの原因になったり、そこから傷みやすくなったりします。
- 水気を完全に拭き取る:梅を洗った後、清潔な布巾やキッチンペーパーで水気を完全に拭き取ること。水分が残っていると、カビ発生の直接的な原因となります。
- 赤じそのアク抜き:しそ漬け梅干しを作る場合、赤じそを塩でよく揉んで黒いアク(搾り汁)をしっかりと捨てること。この作業を丁寧に行うことで、梅干しが美しい赤色に染まります。
これらの地道な作業を一つひとつ丁寧に行うことが、結果的に失敗を防ぎ、美味しい梅干しにつながるという、料理の普遍的な真理を教えてくれます。
2-2.梅干しは何日ぐらい干すんですか?
塩漬けにした梅を干す工程は「土用干し」と呼ばれ、梅干し作りのクライマックスとも言える作業です。
この土用干しは、一般的に「三日三晩」行うのが基本とされています。
最適な時期は、梅雨が明けた7月中旬から8月上旬にかけての、安定して晴天が続く時期です。
天気予報をよく確認し、3〜4日間、雨の心配がないタイミングを見計らって行いましょう。
具体的な干し方は以下の通りです。
- 一日目:朝、梅を梅酢から取り出し、ざるの上に間隔をあけて並べます。日当たりの良い場所で干し始め、日中は2〜3回、梅を裏返して全体に均一に日光が当たるようにします。夕方、日が傾いてきたら、梅を梅酢の容器に戻し入れます。
- 二日目:再び朝から梅をざるに並べて干します。一日目と同様に、途中で裏返します。この日の夜は梅酢に戻さず、そのまま外で夜露に当てます。
- 三日目:二日目と同じように一日干し、夜も夜露に当てます。
日中の強い日差しには殺菌効果や水分を蒸発させる効果があり、夜の湿気(夜露)には梅の皮を柔らかくし、しっとりとした食感に仕上げる効果があると言われています。
干し上がりの目安は、梅の表面に塩の結晶が白く吹き、指で皮をつまむと実から優しく離れるくらいです。
天候によっては、干す日数を調整してください。
2-3.梅干しは5年でどうなりますか?味の変化
適切に作られ、正しく保存された昔ながらの梅干しは、時間とともにその姿と味わいを変化させていきます。
5年という歳月が経過した梅干しは、単に古い食品になるのではなく、熟成によって新たな魅力をまとった逸品へと生まれ変わると言えます。
最も顕著な変化は「味」です。
出来立ての頃は塩のしょっぱさが鋭く、酸味もツンと尖っていますが、5年も経つと塩の角がすっかり取れ、驚くほどまろやかな味わいになります。
塩味、酸味、そして梅本来の旨味が渾然一体となり、口当たりは柔らかく、後味には深いコクと余韻が感じられるようになります。
食感も変化します。
果肉はよりねっとりとし、まるで上質な和菓子のような舌触りになることもあります。
見た目も、鮮やかな色合いから落ち着いた濃い褐色へと変化し、熟成の深さを物語ります。
このように、自家製の梅干しを数年にわたって保存し、その味の変化を楽しむことは、手作りならではの大きな醍醐味の一つです。
2-4.驚き!10年前の梅干しは食べられる?
「10年前に作った梅干しが出てきたけれど、これは食べられるのだろうか?」と疑問に思うかもしれません。
驚くべきことに、塩分18%以上という昔ながらの製法で正しく作られ、カビの発生がない適切な環境で保存されていれば、10年前、あるいはそれ以上前の梅干しでも問題なく食べられる可能性が非常に高いです。
これは、梅干しが単なる漬物ではなく、優れた「保存食」であることの証です。
高い塩分濃度とクエン酸の力によって、腐敗の原因となる微生物の活動が極限まで抑えられているため、時間が経っても腐ることなく、むしろ熟成が進むのです。
実際に、旧家の蔵などから100年以上前の梅干しが発見され、食用可能だったという記録も残っています。
もちろん、これはあくまで理想的な条件下での話です。食べる前には、必ず以下の点を確認してください。
- カビ(白、青、黒など)が生えていないか。
- 異臭(腐敗臭や酸っぱい以外の不快な臭い)がしないか。
- 表面がぬるぬるしたり、糸を引いたりしていないか。
これらの異常が見られる場合は、残念ながら食べることはできません。
しかし、異常がなく、見た目も香りも「梅干し」そのものであれば、それは貴重な年代物の梅干しと言えるでしょう。
2-5.手作りが無理なら通販という選択肢も
暑くなったね!
— 杉山卓也 メンタル専門漢方・中医学薬剤師 (@takuyasensei) June 5, 2025
夏バテ予防には梅干し、お勧め。
・クエン酸で疲労回復&だるさを吹き飛ばす
・胃腸を整えて食欲UP
・殺菌作用で食中毒予防
・熱中症対策に欠かせない塩分補給も
・汗で失いやすいミネラルも補える
1日1粒程度を目安に。
中医学的にも気と陰を補う優れもの。 pic.twitter.com/g1wm4x55CF
梅干し作りの魅力や手順を理解しても、実際に作るとなると「梅が手に入る時期に忙しい」「うまく作れるか自信がない」といった理由で、一歩を踏み出せない方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、無理に手作りにこだわらず、通販を利用して理想の梅干しを探すというのも一つの賢い方法です。
近年、インターネット通販の普及により、全国の梅農家や老舗の専門店が、自慢の梅干しを直接消費者に販売するケースが増えています。
その中には、昔ながらの製法を頑なに守り、添加物を一切使わずに梅と塩だけで作った、こだわりの白干し梅も数多く存在します。
通販で選ぶ際のポイントは、商品説明や原材料表示をしっかりと確認することです。
本物の昔ながらの梅干しを探すなら、原材料名が「梅、塩」、しそ漬けの場合は「梅、しそ、塩」のみとなっているものを選びましょう。
生産者のこだわりや、購入者のレビューを参考にしながら、日本各地の様々な梅干しを比較検討できるのは、通販ならではの楽しみ方です。


2-6.昔ながらの梅干しの作り方は簡単で奥深い
この記事では、昔ながらの梅干し作りの魅力と、初心者でも失敗しないための簡単な方法について解説してきました。
最後に、その要点をまとめます。
昔ながらの梅干しは梅と塩だけで作るシンプルなもの
初心者には失敗の少ない塩分18%~20%がおすすめ
高い塩分としょっぱい酸っぱい味が天然の保存料になる
材料は傷のない黄色く熟した完熟梅を選ぶのがコツ
漬物樽がなくてもジップロックで手軽に挑戦できる
道具類は熱湯やアルコールでしっかり消毒することが大切
重石を使い梅全体を梅酢に浸すことでカビを防ぐ
赤じそを加えれば色鮮やかなしそ漬け梅干しになる
天日干しは梅雨明けの晴天が続く日に三日三晩行う
夜露に当てることで皮が柔らかくしっとり仕上がる
完成した梅干しは冷暗所で長期保存が可能
熟成させると塩の角が取れて味がまろやかになる
5年、10年と経つごとに深みのある味わいに変化する
調味梅干しとは製造工程と保存性が大きく異なる
自家製ならではの味の変化と作る楽しみを味わえる
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