今回のサウジアラビア興行「NIGHT OF THE SAMURAI」の直前会見は、異様なほどの緊張感と、ある種の“神々しさ”に包まれていた。
リヤドの地で、日本の至宝たちが世界に見せつけた自信。
12月27日のゴングを前に、会見で見えた「勝負の分かれ目」を鋭く分析する。
1. 井上尚弥の“王者の風格”と、ピカソの“若さゆえの過信”
記者会見終わりました!
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) December 25, 2025
明日は計量、バッチリ仕上がりました✌🏼 pic.twitter.com/KGl95RmVdm
— TURKI ALALSHIKH (@Turki_alalshikh) December 25, 2025
— TURKI ALALSHIKH (@Turki_alalshikh) December 25, 2025
まずメインイベント。
4団体統一王者・井上尚弥と、挑戦者アラン・ピカソのフェイスオフだ。
報道写真や映像を見ても分かるが、井上の「目」が違う。
9月のアフマダリエフ戦(判定勝利)を経て、今回は完全に「倒すモード」に入っているのが伝わってくる。
会見で井上は「過去最高の仕上がり。サウジのファンの前でKOを見せる」と断言した。
普段、慎重な発言の多い井上がここまで言い切るときは、相手の穴が完全に見えているときだ。
対する25歳の無敗、ピカソ。
「井上は偉大だが、世代交代の時だ」と息巻いていたが、フェイスオフで井上の眼光を受けた瞬間、わずかに視線が泳いだように見えたのは私だけか?
ピカソの「若さと手数」は武器だが、井上はその手数の打ち終わりに、我々がまだ見たことのないカウンターを用意している気がしてならない。
これは“試合”というより、“芸術的な処刑”になる予感がする。
2. 中谷潤人、Sバンタム級の肉体が“完成”している
Junto Nakatani and Sebastian Hernandez ready to go 💥
— Ring Magazine (@ringmagazine) December 25, 2025
The Ring V: Night of the Samurai | Live on DAZN | @RiyadhSeason | Dec 27th 🥊 pic.twitter.com/4N8QdGKYhb
𝐔𝐍𝐃𝐄𝐍𝐈𝐀𝐁𝐋𝐄 𝐆𝐑𝐄𝐀𝐓𝐍𝐄𝐒𝐒.
— Top Rank Boxing (@trboxing) December 24, 2025
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セミファイナルに登場する中谷潤人。
彼もまた、恐ろしいほどのオーラを放っていた。
特筆すべきは、スーパーバンタム級(55.3kg)に上げたことによる肉体の充実ぶりだ。
バンタム級時代のような頬のこけ方がなく、首周りや肩の筋肉の張りが素晴らしい。
対戦相手のセバスチャン・エルナンデスも無敗の強豪だが、中谷は「(井上戦への)バトンを繋ぐ」と、視線はすでにその先を見ている。
会見では井上と中谷が並び立つシーンもあったが、両者の間にある「言葉にしなくても通じ合うライバル心」が、サウジの熱気をさらに高めている。
中谷にとってこの試合は、単なる階級初戦ではない。
井上尚弥に対し、「俺の準備はできている」と突きつけるデモンストレーションだ。
3. 寺地拳四朗、3階級制覇へ静かな闘志
寺地拳四朗
— ボクシングビート (@beat_macc) December 25, 2025
「勝って次に繋げる。絶対に勝ちます」#RiyadhSeason #TheRingV #NightOfTheSamurai pic.twitter.com/yaOCVWM2jz
忘れてはならないのが、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦に臨む寺地拳四朗だ。
ライトフライ級で絶対王者だった彼が、2階級上げての挑戦。
ウィリバリド・ガルシアとの対峙でも、体格負けしていない。
「KOで勝って、3階級制覇を達成する」という言葉に迷いはない。
井上、中谷の影に隠れがちだが、技術レベルで言えば拳四朗もまたPFP級。
この試合が「裏ベストバウト」になる可能性は十分にある。
まとめ:12.27、歴史が変わる夜明け前
サウジアラビアという異国の地、煌びやかな演出、そして「SAMURAI」の名の元に集結した日本の怪物たち。
井上尚弥がピカソをキャンバスに沈め、中谷潤人が衝撃的なKOで続き、2026年5月の「東京ドーム頂上決戦」への道が確定する――。
そんなシナリオが、もはや既定路線にすら思えるほどの充実ぶりが、今日の会見にはあった。
決戦は明日(日本時間28日未明)。
我々ファンは、歴史の証人となる準備をしておこう。


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