本日も全国的にクマの出没と人身被害が相次いでいます。
昨日7日夜には、群馬県のスーパーマーケットにクマが侵入し、買い物客2人が負傷しました。
また、東京に近い埼玉県飯能市では、親子グマが目撃されるなど、クマの脅威は都市近郊の生活圏にまで深刻に広がっています。
群馬のスーパーにクマ侵入、客2人が負傷
昨日7日午後7時半ごろ、群馬県沼田市にあるスーパーマーケットにクマ1頭が侵入し、買い物客2人が襲われました。
クマに覆いかぶされたとみられ、70代の男性が両腕を引っかかれる重傷を負うなどしました。
クマは体長1.4メートルほどで、店から走り去り、現在も捕獲されていません。
現場はJR沼田駅からわずか2キロの住宅地に近い場所で、住民に大きな衝撃を与えています。
東京近郊でも親子グマが出没
クマの出没は、首都圏近郊でも相次いでいます。
埼玉県警によると、昨日午後11時過ぎ、飯能市小岩井で成獣と幼獣の親子グマ2頭が車を運転中の人に目撃されました。
飯能市内では、近年も住宅街での目撃が相次いでおり、警察は住民に厳重な警戒を呼びかけています。
深刻化する秋の脅威と被害防止の最前線
秋が深まり、クマが冬眠に向けて餌を求める時期に入ったことで、人身被害と出没件数は増加の一途をたどっています。
死亡事故の続報と広がる警戒
宮城県では、3日に栗原市の山中でクマに襲われ死亡した女性の続報として、亡くなった志水春江さん(75)がクマと正面から鉢合わせして襲われたとみられることが新たに判明しました。
現場では依然として1人の女性が行方不明となっており、警察が捜索を続けています。
また、宮城県では子グマが死んだ親グマを探しているとみられる事例や、体長1.5メートルのクマが柿の木に登って実を食べる姿が住宅地の住民によって撮影されるなど、クマが人里の食べ物に固執する様子が確認されています。
「音と匂い」で防ぐ対策の需要が急増
クマによる被害を防ぐため、対策グッズの需要が急増しています。
- 忌避剤の需要: 青森県の企業が製造する、唐辛子成分などでクマが嫌がる臭いを発生させる忌避剤**「熊をぼる」**の注文が6月以降急増しており、農作物の被害防止に効果を上げています。
- クマ撃退スプレー: 仙台市内のアウトドア用品店では、クマ撃退スプレーが欠品するほど売れており、レンタルサービスも利用が増加しています。
森林総合研究所の専門家は、クマは本来臆病だが、お互いに気づかず鉢合わせするケースが事故の主な原因だと指摘。
鈴やラジオで音を出すことを基本に、クマ撃退スプレーやヘルメットの着用など、複数の手段を組み合わせた対策を呼びかけています。
遭遇時の「後悔」—絶対にすべきでない行動
クマに襲われ重傷を負った新潟県の男性の事例からは、遭遇時の行動が命を分けることが分かります。
- 最も危険な行動: 驚いて大声を出すこと。クマが驚き、防御的に叩いたり襲ったりする可能性が高まります。
- 正しい対処法: クマとの距離がある場合は、背中を見せず、クマを見ながらゆっくり後ずさりすること。決して走ってはいけません。
- 至近距離では防御姿勢: 時間があればうつ伏せになり、顔と内臓を見せないようにして、致命傷を避けることが推奨されています。
「人間の餌に付いたクマは、人間の食べ物を漁るようになる」として、農作物や生ゴミの管理、お墓へのお供え物の持ち帰りなど、クマを人里に引き寄せないための努力こそが、最も重要だと専門家は警鐘を鳴らしています。



コメント