俺の好きなパンクという音楽。 今は昔みたいにそれほど聴くことが多くないけど、若かりしころ大好きだったジョニー・サンダース。
俺を何度も救ってくれたのが、ジョニー・サンダースの音楽だった。あの頃、人生はどこか不安定で、未来への漠然とした不安や孤独感に押しつぶされそうだった。
だけど、ジョニーのギターと独特なヘナヘナボイスに触れるたび、不思議とその不安は吹き飛び「今を生きろ!」と背中を押されるような気持ちになれた。
ジョニー・サンダースとの出会いは、俺にとってただ音楽を聴くという行為以上のものだった。彼の存在そのものが、自由や反骨心、そして自分らしさを体現しているように思えた。
あの美しいルックス。ギブソン・レスポール・ジュニアTVから繰り出される無骨なギターサウンド。
そいつに惹かれたのはもちろんだけど、その奥に隠された切なさや哀愁に共感を覚えた。
40年以上経った今でも、彼の音楽を聴けば、あの頃の自分に戻れる。
ジョニーは、俺の中で今も輝き続けている。
俺のジョニーへのラブレター、最後までお付き合いください。
ジョニー・サンダースとは
ジョニー・サンダース(1952年7月15日生まれ、ニューヨーク州クイーンズ出身)は、イタリア系移民の子として生まれたロックミュージシャン。
「ニューヨーク・ドールズ」のギタリストとして注目を集め、脱退後に結成したバンド「ハートブレイカーズ」で不動の人気を確立。
激しいライフスタイルとロックスターとしての生き様で伝説となり、1991年に薬物過剰摂取により38歳で逝去。
晩年には日本での活動も活発化し、多くのファンを魅了。
ジョニー・サンダースの残したロック史に刻む名盤5選
1.IN COLD BLOOD
俺が初めてジョニーを聴いたのは17か18だったな。今から考えるともう40年以上前なのか。はやっ…(汗)
まず何といっても、気だるそうな、俺には淋しそうにも見えた、寝ぐせ?すら美しいそのかっけー見た目にやられてしまった。
まさにジャケ買いというやつ!
ヘナヘナボーカルと轟音ギター。そのセンス抜群としか言いようのないロックンロールと美しいバラードに瞬く間に引き込まれた。
当時俺が聴いたのは、後から手に入れたオリジナルのライブ含みの2枚組じゃなく、スタジオ録音のみの当時日本のSMSから出たミニアルバム。
曲の少なさが気の短い俺にぴったり合って、レコードを何回もターンテーブルにのせた。
2.L.A.M.F.
次に手に入れた「L.A.M.F.(Revisited)」。
こいつで俺はノックアウトだった。しかし、聴き込むほどに俺は不思議な気持ちになった。こんなに美しいルックスで、こんなに名曲ぞろいの作品が、なぜ知る人ぞ知るみたいな感じなのか?
俺の知る限りの、全てのロックンロールアルバムの中でも屈指の名作なのに!
今や名盤の誉れ高いこのアルバムも、当時はまだまだ一部の愛好者に愛される陰日向の存在って感じだった。
それから俺は何年間か、頭の中はジョニサンだらけだった。女と遊ぶよりジョニーだった。まぁそもそも、俺が全くもてなかっただけなのだが(苦笑)。
当時東京に住んでいた俺は、気がつけば専門学校を辞め、レコード代を稼ぐため、六本木まで行ってそこの飲み屋でアルバイトし、新宿西口のレコード屋めぐりに励んだ。
ニューヨークドールズ時代も含め、片っ端からジョニー関係のレコードを買い漁った。
3.So Alone
ジョニー本人も真剣に取り組んでいるのが感じられる(笑)ソロでは最高の一枚。
動くジョニーといえば「Dead or Alive」という1984年のハートブレイカーズ再結成時のロンドン・ライシアムボールセンターでのライブ映像。「So Alone」と同じくパイプラインから始まることに興奮!
ちょうど同じ頃に購入したベータのビデオソフトは、当時の値段で12,800円!高っ!
酔っ払って途中で倒れ込んじゃうのは、ギターのウォルター同様呆れるしかなけど、それでも格好いいって意味わかんないって(笑)
残念ながら、現在は廃盤。でも、YouTubeで検索すれば出てくると思います。
相変わらず俺のジョニー熱は続き、来日すればライブ通いを続けた。
なんつって、日本青年館しか行ってないけど(汗)。
当時は、アルバイト代のほとんどをジョニーやパンクのレコードに費やしていた。
そしてジョニサン・ベストと銘打ち、頼まれもしないのに友達にダビングしたカセットを配ってたな。
4.Hurt Me
アンプラグドが流行るずっと前、この方は残していました!そう、ほぼ全編アコースティックの傑作を。
友達が泊まりに来ると、決まって子守唄がわりにかけていた。いつも癒されてたなぁ。
もちろん非公式音源にも手を出した。
ある日、某老舗の有名ショップ「新宿レ○ード」ってところで、怪しげなモノクロコピーの殴り書き(だったと思う。今は紛失したので)のレーベルがついていたカセットを、悩んだ挙句購入。
すると帰り際店員同士で、こそこそと、「なんか罪の意識感じるなぁ~」と言っていたのを思い出す。
不安70%、期待30%で、1時間ほどかけて自宅に帰って、聴いてみたら、なぜかジョー・ストラマーの声が!
俺はクラッシュも好きだし…。
気の弱い俺はそのカセットを静かにライブラリーの棚に収納した。つーか、少しでも非公式音源に手を出した人ならわかる、ごくありふれた日常の1ページだと思いますけどね。
5.New York Dolls
さかのぼる形で、ニューヨーク・ドールズ。
昔のレコード当時は、確かに悪評通りくぐもった音で欲求不満。頼むよ、トッド・ラングレン。
しかし、現代のミックスにより改善された今では(若干高音がキーキーいうが)、当時の格好良さがわかるので、名盤確定!
みなさんも聞いてみて!時代を全く感じさせない感じ。マジでいいっす!
6.まとめ
でも、この人は寡作な人なので、ある時期から聴かなくなった。どんなに好きでも、違うライブ音源が出ても基本的に曲が同じだと飽きちゃう。
そんなこんなで帰郷し、日本盤は購入していたが、俺の興味は違うところに移っていた。
あんなに大好きだったのに。なんて薄情なんだ俺は。
そんなある日ジョニーの訃報を知った。殺されたのかオーヴァードーズかは知らないが、すでにドラッグや酒で、肝臓は緑色に変色していたらしい。
だけど、彼らしいと思った。
でも命日の4月23日になると、Sad Vacation(シド・ヴィシャスに捧げたレクイエム)を聴いてしまうんだな、これが。
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