本日、岩手県北上市で、キノコ狩り中の男性がクマに襲われ死亡したとみられる痛ましい事件が明らかになりました。
遺体は損傷が激しく、クマによる被害と断定されています。
また、長野市の善光寺周辺でもクマが出没するなど、秋のクマの脅威は全国で拡大しています。
遺体はバラバラ、クマの唸り声も…「特異な個体」の可能性
岩手県北上市の山林で、行方不明になっていた70代男性が遺体で発見されました。
遺体は頭と胴体が分離し、頭皮が食われて頭蓋骨が露出するなど、損傷が極めて激しい状態でした。
現場からはクマの唸り声も聞こえ、警察はクマによる被害とみて捜査しています。
北上市では7月にも80代女性が自宅でクマに襲われ死亡しており、市の担当者は、今回の事案をクマによる被害と仮定した場合、「人間に対する恐怖心の薄れた特異な個体の可能性もある」と危機感を強めています。
善光寺周辺にクマ、秋田では6日連続の被害
クマの出没は、観光地や住宅地でも相次いでいます。
- 長野・善光寺周辺: 10日夜から11日未明にかけ、長野市の善光寺の仲見世通りや本堂付近で体長約1メートルのクマが目撃されました。警察や市が警戒を強めており、観光客にも不安が広がっています。
- 秋田で6日連続の被害: 秋田市では、農作業中の80代男性がクマに襲われ、額に軽いけがを負いました。秋田県内では、クマによる人身被害がこれで6日連続となり、その深刻さが際立っています。
- 岩手・釜石市: 自宅敷地内の畑にいたクマを追い払おうとした87歳の男性が、左手を引っかかれ軽傷を負うなど、高齢者が襲われる被害が目立っています。
アニメでも異例の注意喚起—「決して戦わないで」
連日のクマ被害を受け、社会全体で警戒が高まっています。
本日放送された秋の新作アニメでは、主人公がクマと格闘するシーンの後、異例の「熊と遭遇した際には、身の安全を守る為に決して戦わないでください」という注意テロップが流れ、ネットで話題になりました。
これは、クマに遭遇した際の正しい行動を促すためのものですが、裏を返せば、クマの出没がフィクションと現実の境界を曖昧にするほど、市民生活に浸透している証拠とも言えます。
北海道猟友会の防除隊隊長は、今年はクマのエサが極めて少なく、生活圏に執着しているとし、「やがて(個体数を)調整していかなくてはならない日も目前に迫っている」と述べるなど、クマとの共存が新たなフェーズに入っていることを示唆しています。



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