死亡事故の余波広がる、観光地への影響も深刻に
北海道羅臼岳でクマに襲われ亡くなった男性の死因が外傷による失血だったことが明らかになりました。
この悲劇は、雄大な自然を求めて訪れる多くの観光客に不安を与えています。
羅臼岳の現場から20キロほど離れた観光名所、オシンコシンの滝を訪れた人々からは、「より安全を確保しようと話した」「1人では行動しない」といった警戒の声が聞かれました。
また、事故は観光業にも大きな打撃を与えています。
斜里町のキャンプ場では予約が相次いでキャンセルされ、管理人は「先行きが見通せない」と悲痛な声をあげています。
知床で20年以上ガイドを務める専門家は、人間とヒグマの適切な「距離感」が失われていると指摘。
スマートフォンで撮影するためにクマに近づく人が増えた結果、クマが人間を恐れなくなり、以前はしなかった行動を取るようになったと警鐘を鳴らしました。
観光地から住宅地まで—全国で止まらないクマの脅威
クマの脅威は北海道にとどまりません。
長野市の人気観光地、戸隠神社奥社の参道では、観光客がクマを目撃し、緊張が走りました。
参道は多くの人が訪れる場所であり、北海道と同様に観光客がクマと遭遇するリスクが高まっています。
さらに、住宅地での人身被害も深刻です。
新潟県南魚沼市では、自宅前で夕涼みをしていた60代の男性が背後からクマに襲われました。
男性は持っていた懐中電灯でクマを叩いて抵抗し、命に別状はなかったものの、妻は「だいぶ血が出ていた」と当時の緊迫した状況を語りました。
福井県越前町でも、日中に成獣のクマが目撃されるなど、クマはもはや夜間や山奥だけの存在ではありません。
羅臼岳での死亡事故後も、北海道羅臼町の海岸線で体長2メートルのクマが目撃されるなど、クマの活動は活発化しています。
私たちは、クマの生態変化と被害が全国に広がっている現状を認識し、地域や状況に応じた適切な対策を徹底することが求められています。



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