タフな腕時計の代名詞であるG-SHOCK。
日常使いからアウトドアシーンまで幅広く活躍しますが、長く愛用していると汗やホコリによる汚れが気になってきます。
G-SHOCKの水洗いを考えたとき、その具体的な洗い方はもちろん、そもそも全部防水ですか?耐水性は大丈夫?といった疑問が浮かぶ方も多いでしょう。
また、樹脂バンドの手入れや気になる黒ずみ、そして不快な臭いの洗浄方法についても知りたいところです。
万が一、間違えて洗濯してしまった場合の対処法も気になります。
インターネット上では重曹やオキシ漬け、さらにはポリデントを使った洗浄方法も散見されますが、本当に安全なのでしょうか。
自分で手入れするのが不安な場合、専門の洗浄店に依頼した際のクリーニング料金も判断材料になります。
この記事では、G-SHOCKを安全かつ綺麗に保つための正しい知識を網羅的に解説します。
✔︎ この記事でわかること
✔︎ G-SHOCKの正しい水洗い手順と必要な道具
✔︎ 重曹やオキシ漬けなど避けるべき洗浄方法とその理由
✔︎ 樹脂バンドの黒ずみや臭いを解消する手入れのコツ
✔︎ 専門店にクリーニングを依頼する場合の料金相場
1. G-SHOCKの水洗いにおける基本手順と確認事項
✔︎ G-SHOCKは全部防水ですか?耐水性は?
✔︎ 自宅でできるG-SHOCKの正しい洗い方
✔︎ 樹脂バンドの手入れと黒ずみの落とし方
✔︎ 気になる臭いの洗浄方法と消臭のポイント
✔︎ 万が一G-SHOCKを洗濯してしまったら
1-1. G-SHOCKは全部防水ですか?耐水性は?

G-SHOCKを手入れする上で最も気になるのが防水性能です。
結論から言うと、ほとんどのG-SHOCKモデルは高い防水性能を備えていますが、「全てが同じ性能ではない」という点を理解しておく必要があります。
多くのG-SHOCKは「20気圧防水(20BAR)」という性能を持っており、これは日常生活での水仕事はもちろん、水泳やスキンダイビングといった水上スポーツにも耐えられるレベルです。
しかし、一部のモデルや長年使用している個体では注意が必要です。
防水性能の確認方法
お持ちのG-SHOCKの防水性能は、時計の裏蓋に刻印されている表示で確認できます。
購入時の取扱説明書にも記載があるので、併せて確認するとより確実です。
裏蓋の表示 | 防水性能の目安 | 水洗いの可否 |
---|---|---|
WATER RESIST / W.R. | 日常生活用防水(3~5気圧) | 直接の水洗いは推奨されません。湿らせた布で拭く程度に留めるのが安全です。 |
WATER RESIST 10BAR / 100M | 日常生活用強化防水(10気圧) | 水洗いは可能ですが、強い水圧を直接かけるのは避けてください。 |
WATER RESIST 20BAR / 200M | 日常生活用強化防水(20気圧) | 安心して水洗いできます。多くのG-SHOCKがこの仕様です。 |
DIVER’S WATCH 200M | 潜水用防水(200m) | 本格的なダイビングにも対応。水洗いも全く問題ありません。 |
経年劣化による防水性能の低下に注意
時計内部の水分侵入を防いでいるのは「パッキン」と呼ばれるゴム製の部品です。
このパッキンは経年劣化するため、製造から数年が経過したG-SHOCKは、新品時と同じ防水性能が維持できていない可能性があります。
最後にメンテナンスしてから期間が空いている場合は、いきなり水に浸けるのではなく、まずは専門店に相談することをおすすめします。
また、水洗い中や時計が濡れている状態でのボタン操作は絶対に避けてください。
内部に水が浸入する原因となり、故障に繋がる可能性があります。
1-2. 自宅でできるG-SHOCKの正しい洗い方

G-SHOCKの防水性能を確認したら、いよいよ洗浄です。
正しい手順で行えば、見違えるほど綺麗になります。
ここでは、誰でも簡単にできる基本的な洗い方をご紹介します。
用意するもの
特別な道具は必要ありません。ご家庭にあるもので十分対応できます。
歯ブラシは、硬い毛のものを使うとケースやバンドに細かい傷が付く原因になります。
必ず「やわらかめ」のものを選んでください。
洗浄の手順
以下のステップに沿って、優しく丁寧に作業を進めましょう。
まず、りゅうずがしっかりと閉まっていることを確認します。洗面器にぬるま湯を張り、中性洗剤を数滴溶かしておきます。
G-SHOCK全体をぬるま湯に5分ほど浸け、汚れを浮かせます。
歯ブラシに洗浄液をつけ、バンドの裏側やベゼルの隙間、ボタン周りなど、汚れが溜まりやすい部分を優しくこすり洗いします。力を入れすぎないのがポイントです。
洗浄が終わったら、洗剤成分が残らないよう、きれいなぬるま湯で十分にすすぎます。蛇口から出る強い水流を直接当てるのは避けましょう。
柔らかい布で時計全体の水分を優しく押さえるように拭き取ります。その後、風通しの良い日陰で完全に自然乾燥させます。最低でも一晩は置いておくと安心です。
乾燥時のNG行為
早く乾かしたいからといって、ドライヤーの熱風を当てたり、直射日光の下に放置したりするのは絶対にやめてください。樹脂パーツの変形や変色、劣化を早める原因となります。
1-3. 樹脂バンドの手入れと黒ずみの落とし方

G-SHOCKの象徴ともいえる樹脂(ウレタン)バンドは、汗や皮脂汚れが付着しやすく、放置すると黒ずみやベタつきの原因となります。
特に夏場はこまめな手入れが重要です。
基本的な黒ずみは、前述した中性洗剤と歯ブラシを使った洗浄でほとんど落とすことができます。
ポイントは、皮脂汚れが固着してしまう前に定期的に洗浄することです。
しかし、長年蓄積された頑固な黒ずみや、衣類からの色移りは、通常の中性洗剤だけでは落としきれない場合があります。
その場合、消しゴムで軽くこする方法も一部で紹介されていますが、強くこするとバンドの表面を傷つけ、テカリの原因になるため注意が必要です。
残念ながら、樹脂素材自体が紫外線や経年劣化で変色してしまった場合、洗浄で元の色に戻すのは困難です。
あまりに汚れや劣化がひどい場合は、バンド自体の交換を検討するのが最も確実な解決策といえます。
1-4. 気になる臭いの洗浄方法と消臭のポイント

腕時計の不快な臭いは、主に汗や皮脂をエサにして雑菌が繁殖することが原因です。
特に、肌に密着するバンドの裏側や、水分が残りやすい隙間は雑菌の温床になりがちです。
この臭いを解消するためには、原因となる雑菌とエサ(皮脂汚れ)を両方取り除く必要があります。
つまり、これまで説明してきた中性洗剤を使った洗浄が、最も効果的な消臭方法なのです。
消臭の最重要ポイントは「完全な乾燥」
洗浄によって汚れと雑菌を洗い流しても、水分が残ったままだと再び雑菌が繁殖してしまいます。
臭いを元から断つためには、洗浄後の「徹底した乾燥」が何よりも重要です。
柔らかい布で水分を拭き取った後、風通しの良い日陰でしっかりと時間をかけて乾かすことを徹底してください。
また、日常的なケアとして、時計を外した際に乾いた布でさっと一拭きするだけでも、汗や皮脂の付着を抑え、臭いの予防に繋がります。
1-5. 万が一G-SHOCKを洗濯してしまったら

「ポケットに入れたまま、うっかり洗濯してしまった」というケースは意外と少なくありません。
G-SHOCKの耐衝撃性と防水性から無事なことも多いですが、油断は禁物です。
もし洗濯してしまったら、慌てずに以下の手順で対処してください。
洗濯槽の中に放置せず、すぐに取り出します。
まずは時計の外観に傷や破損がないか、ガラスに曇りがないかを確認します。
ボタンを押して、表示やライトが正常に機能するかをチェックします。この時、少しでも表示がおかしい、音が鳴らないなどの異常があれば、内部に浸水している可能性が高いです。
外観や動作に異常がなくても、内部に湿気が残っている可能性があります。他の洗浄後と同様に、風通しの良い日陰で数日間、念入りに乾燥させてください。
異常があればすぐに専門店へ
洗濯機の水流や洗剤は、時計にとって過酷な環境です。
現時点で問題なく動いていても、後から内部の腐食が進み、故障に至るケースもあります。
少しでも動作に不安を感じたり、ガラスの内側が曇ったりした場合は、迷わずカシオの修理サポートや時計専門店に相談してください。
2. G-SHOCKの水洗いで避けるべき特殊な洗浄方法
✔︎ 重曹を使った洗浄のリスクと注意点
✔︎ オキシ漬けは変色や劣化の原因になる?
✔︎ ポリデントでの洗浄は本当に効果的か
✔︎ プロの洗浄店に依頼するメリットとは
✔︎ 専門店のクリーニング料金の相場
2-1. 重曹を使った洗浄のリスクと注意点
掃除で万能なイメージのある重曹ですが、G-SHOCKの洗浄に使うのは推奨されません。
重曹には、いくつかのリスクが伴います。
第一の理由は、研磨作用です。
重曹は細かい粒子であり、水に溶かして使ったとしても、その研磨効果によって時計のケースや樹脂バンド、特に風防(ガラス面)に微細な傷を付けてしまう可能性があります。
マットな質感のモデルでは、表面の風合いを損なうことにもなりかねません。
第二に、重曹は弱アルカリ性の性質を持っています。
G-SHOCKのバンドに多く使われるウレタン樹脂は、アルカリ性の物質に長時間触れると化学反応を起こし、加水分解という劣化現象を早める恐れがあるのです。
重曹洗浄はハイリスク
汚れが落ちたとしても、それ以上に時計本体やバンドの寿命を縮めてしまう危険性があります。安全に手入れをするためには、メーカーが推奨する中性洗剤を使用するのが最も確実です。
2-2. オキシ漬けは変色や劣化の原因になる?

酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使った「オキシ漬け」も、衣類の染み抜きなどで人気の方法ですが、G-SHOCKへの使用は絶対に避けるべきです。
酸素系漂白剤は、強力な酸化作用によって汚れを分解・漂白します。
この作用が、G-SHOCKのデリケートな素材に深刻なダメージを与える可能性があります。
✔︎ 変色・色落ち:特にカラーモデルや限定モデルの特殊な塗装は、漂白剤の作用で色落ちしたり、まだら模様になったりする危険性が非常に高いです。
✔︎ 樹脂の劣化:強力な化学薬品は、樹脂の結合を破壊し、ベタつきやひび割れといった劣化を著しく早める原因となります。
✔︎ 金属パーツの腐食:バックルやボタンなどの金属部品も、化学反応によって錆びや腐食を引き起こす可能性があります。
言ってしまえば、オキシ漬けは時計にとって「劇薬」のようなものです。
大切なG-SHOCKを長く使うためにも、安易な使用は絶対にやめましょう。
2-3. ポリデントでの洗浄は本当に効果的か

入れ歯洗浄剤であるポリデントなどを使った洗浄も、裏ワザとして紹介されることがあります。
酵素や発泡作用で汚れが浮き上がるという理屈ですが、これもG-SHOCKへの使用はリスクが高く、推奨できません。
理由は、時計メーカーがその使用を全く想定していないためです。
入れ歯洗浄剤に含まれる成分が、時計の防水性を保つパッキンや、精密な内部機構、樹脂パーツにどのような影響を及ぼすかは未知数です。
確かに汚れが落ちるという報告もありますが、それはあくまで結果論です。
一時的に綺麗になったとしても、数ヶ月後、数年後にパッキンが劣化して浸水しやすくなったり、樹脂が脆くなったりする可能性は否定できません。
「自己責任」で行うにはあまりにもリスクが高すぎる方法と言えるでしょう。
2-4. プロの洗浄店に依頼するメリットとは

自分での手入れに不安がある場合や、長年使っていて徹底的にリフレッシュしたい場合は、プロの洗浄店や時計修理専門店に依頼するのが最善の選択です。
プロに依頼するメリットは数多くあります。
大切なG-SHOCKを長く使い続けるための定期メンテナンスとして、数年に一度プロのクリーニングを依頼するのは非常に有効です。
2-5. 専門店のクリーニング料金の相場
専門店にクリーニングを依頼する場合の料金は、サービス内容によって大きく異なります。
ここでは、一般的な料金の目安をご紹介します。
サービス内容 | 料金の目安 | 内容 |
---|---|---|
外装クリーニング | ¥2,000 ~ ¥5,000程度 | ケースやバンドを取り外し、超音波洗浄機などで洗浄するサービス。 |
メンテナンス(オーバーホール) | ¥10,000 ~ | 外装クリーニングに加え、内部ムーブメントの分解洗浄、パッキン交換、防水検査などを含む総合的なメンテナンス。 |
料金は店舗や時計の状態によって変動するため、依頼する前に必ず見積もりを取るようにしましょう。
また、カシオでも公式の修理・メンテナンスサービスを提供しています。
メーカー直々のサービスなので、最も安心できる選択肢の一つです。
料金やサービス内容については公式サイトで確認できます。
2-6. まとめ:安全なG-SHOCKの水洗い方法
記事のまとめです。
✔︎ G-SHOCKの多くは20気圧防水で水洗い可能
✔︎ 洗浄前には裏蓋の防水表示を確認する
✔︎ 経年劣化で防水性は低下するため注意が必要
✔︎ 洗浄や乾燥中にボタン操作は絶対に行わない
✔︎ 用意するものはぬるま湯、中性洗剤、柔らかいブラシと布
✔︎ 洗浄は優しくこすり、洗剤はしっかりすすぐ
✔︎ 乾燥は風通しの良い日陰で自然乾燥させる
✔︎ ドライヤーや直射日光での乾燥は厳禁
✔︎ 樹脂バンドの黒ずみには中性洗剤での洗浄が基本
✔︎ 臭いの原因は雑菌で洗浄と完全な乾燥が対策の鍵
✔︎ 万が一洗濯した場合は動作確認と念入りな乾燥を行う
✔︎ 重曹やオキシ漬けの使用は時計を傷めるリスクがある
✔︎ ポリデントなどメーカー想定外の洗浄剤も避けるべき
✔︎ 自分での手入れが不安ならプロの洗浄店がおすすめ
✔︎ 専門店では超音波洗浄や防水検査も依頼できる
✔︎ 依頼前には必ずサービス内容と見積もりを確認する
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